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弁財天のご利益

  弁財天は、元はインドの「サラスバティ」という川の女神であり、水の流れがさらさらと聞こえるところから、水の神だけではなく、「弁舌」や、「音楽」の神ともされたが、時代が下ると「才」の字が「財」となり、商売繁盛などの現世利益を祈願する神となった。
 弁財天は主に、八臂で宝剣や宝玉などを持つ姿のものと、琵琶を弾く姿のものに分かれ、古い時代は八臂が多く、新しい時代は二臂が多いともいわれる。
 さまざまな立場の人たちが弁財天を信仰したことから、弁財天に託す願いも多種多様である。
 源頼朝は奥州藤原氏制圧を願って八臂弁財天を作り、この時は弁財天は戦勝祈願の女神となった。
 いっぽう、琵琶を弾じる姿から、音楽の神ともなり、琵琶を伝える西園寺家には「妙音天」と呼ばれる弁財天の姿絵が代々伝えられた。こんにちでも、弁財天を信仰する音楽家は多い。
 水の神であるところから、農業の神ともなり、用水路やため池には多くの弁才天像が作られ、農民らに信仰された。
 また、海の神にして商売繁盛の神でもあると解釈され、漁港にはしばしば弁財天が祀られる。
 
 弁財天の魅力は、こうしたさまざまな人たちに信仰され、利益があるとされた懐の深さにあるのではないか、と思う。