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小説 (オリジナル)


Act:0 プロローグ

 世の中よく分からないものだと思う。

 普段は一介の高校生でしかない自分が、こんなカード一枚でこの施設の中でも特にセキュリティの高い場所にも簡単に入れてしまうのだから。

「うーむ…」

 ぺらぺらと手に持ったカードを振ってみる。

 カード自体はプラスティック製で、その表面に黒い一本のラインがコードとして書き込まれた、所謂(いわゆる)カードキー。

「……あれ?」

 カードキーを差し込んで地下へ降り、その先にあるエレベーターから更に地下五階へ。
 そしてエレベーターから降りた先に女性が一人歩いていた。

 長い茶色の髪に、薄いピンクを基調にしたワンピース。その上に水色のカーディガンを羽織っている。

 彼女は歩きながら隣の部屋を眺めているようだ。

 その部屋は正確には更に二階下――地下七階に位置する部屋で、必然的に視線は見下すような形になる。

「ねぇ―――」
「あ、こんにちは」

 だから背後なんて見えないだろうとこっそり近づいてみると、しかし彼女はあっさりこちらに気付いて挨拶をしてきた。

「……こんにちは」
「学生さんですか?」
「はい、一応。高校一年生です」
「あら、若いのね」
「ええ。て、言うかあんた何者? ここには―――」

 部外者は入ってこれないはず。

 そんな言いたい事を言おうとするよりも、こちらの更に背後から声が聞こえる方が速かった。

「おや、こんな所にいたんですか。興味がおありかも知れませんが出来れば控えて下さいね、お嬢様」
「それは失礼。これからは気を付けますね」

 そう言って、彼女は踵(きびす)を返して自分が来た道へと向かう。

「それでは、また」

 すれ違い様にそういって、彼女はそのままエレベーターに乗って上に戻っていった。

 彼女のことは気になるが、地上に出てしまったとなると探すのは容易じゃない。
 それならば、と目の前に居る彼に話を聞くことにする。

「安佐田さん。誰なんですか、今の人」
「お客様ですよ、宮野さん。我々にとって大事な、ね」
「……いまいち要領を得ないんですケド」
「うーん。知ろうとする知的好奇心は悪いことではありませんが、人には分相応と言うものがあります。分不相応なものを知ってしまうのは賛成出来かねますね」
「それは話すつもりが無い、と?」
「まあそういうことです。それでは、今日も頑張って下さいね」

 そう言い残して、彼は何処かへと歩き去っていった。

「あー、なんか納得いかないなぁ…」

 そう呟いて、自分の目的地へと歩き出した。

プロフィール

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ニックネーム
あき
性別
男です。
断固男です。
血液型
A型
性格
腹黒いとか毒舌とか散々です。
他人には確かに冷たいですが、面倒見は結構いいんですよ?

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