endless memories [リメイク版]
第42話
decide
多国籍軍は遂にミサイルを打ち上げ、宇宙空間へ放りだした。 ミサイルが地球に着弾するまで、阻止限界点を超えるまで、あと 3日しかなかった。
「・・・時間が、ない・・・」
遂に多国籍軍は、星の屑佳境段階においてミサイルを発射した。
それは誰がどう見ても地球へ落とす作戦だと思えた。
だが奇妙なことに、一瞬で地球で落とすのではなく、時間差で落とすということがあった。
ミサイルが発射され、月の引力に入る。そして推進装置を使って月の周回軌道を
高速で離脱し、そのままの勢いで地球へ着弾する。
どこに着弾するかは不明として、もしミサイルの中に核弾頭が入っているのだとしたら、
大陸全土が放射能汚染の危険がある。
そこまでの内容が、彼等に説明された。
グラッド「更に核が墜ちた地域やその周辺、最悪の場合その大陸全土が、核による冬が
訪れるかもしれません・・・!」
フィル「核による冬・・・」
アイク「まずいぜそいつは・・・くそっ、出撃前夜に派手なことやりやがって・・・!」
グラッド「連邦軍は既に王の谷へ大部隊を派遣しました。先程入った情報です。
貴方たちもすぐに行った方が良いでしょう・・・!」
メロディ「ですが私たち、移動手段が歩きで・・・」
グラッド「私のライトバンをあげます。あの車の大きさなら荷物も人も全員入る」
お願いです。
彼等を止めて下さい。
そして・・・平和をこの世にもたらして下さい。
グラッドはそう言った。
彼等はグラッドのライトバンをもらい、すぐに出発する。
それは、午前0時を過ぎた頃だった。
カリウスの運転する車はヒルラの街から遠ざかっていって、
やがて外灯も少なくなる田舎道に出た。
フィル「この間の核よりも高い威力だなんて・・・信じられない・・・」
アイク「あれだけでも相当なもんだったからな」
希望は薄い。
でも彼等は王の谷へと向かっていく。
僅かな希望に託し、ミサイルを破壊するために。
そして、星の屑作戦を完遂させないために。
レイ「今のうちに休んでおきなよ。まだ到着までは先が長い」
カリウス「そうだ。荷物の上にも寝っ転がれるし、シートも広い。ゆっくりしていて良いよ」
メロディ「じゃぁそうするよっ」
アイク「だな。カリウス頼んだぜ」
カリウス「任せて」
結局寝始めたのはアイク、メロディ、フィルの三人で、レイは静かに
助手席に移動して、空を眺めながらカリウスと話していた。
カリウスが突然こんなことを言い出したからだ。
「・・・本当は、皆を巻き込みたくなかった」
レイ「え・・・?」
カリウス「此処まで事態が酷くなるとは思わなかったんだ。全ての始まりはきっと・・・
きっと、グランバート王国が滅亡したことにあるんだと思う。
道化師ネオスの一撃、ギルド襲撃事件、そして核弾頭の発射・・・俺の読みが甘かったんだ」
レイ「いいや、そんなことはない。誰にだって予測出来ないことはある。
それに・・・起こってしまったことは今更戻せない。だったら防ぐ手だてを打つしかないよ」
カリウス「・・・そうだね。俺に、俺にもう少し権力があれば・・・」
レイ「・・・!」
レイはこの時初めて感じ取った。
カリウスから発せられる望みが黒く染まり始めたことを。
この時はまだ凝視するレベルでもなかった。
だがレイは薄々この場で感じ取ってしまった。
どうしようもない男へなる前に・・・。
ドロイゼン「既に連邦軍やサザンビーク軍が此処へ向けて侵攻中とのことです」
ガトー「だろうな。奴等はミサイルの存在を知り此処を攻め落とし、軌道修正前にミサイルを
破壊する。・・・完璧だ。だが・・・」
その程度のこと、吾々は理解している。
ガトー「奴等はソーラーシステムを遠隔操作する手段を持ってきているはずだ。
兵力を集中させ待機させ、向かってくる敵にはトーチカで迎撃する。良いな?」
ドロイゼン「承知しております」
夜明け頃。
車の調子が悪く速度が落ちていると思ったら、リアタイヤがパンクしていることに
カリウスは気付いたので、車を止めてタイヤ交換に入った。
この時既に全員が寝ているかと思っていた。
しかし起きている者もいた。
メロディである。
朝日が見えてくる。
色の濃い空から薄い空へ変わっていくこの波のような光景は、
見る者を魅了したであろう。
タイヤ交換の終わった後、カリウスはポケットに入れていたスポーツドリンクを
取り出して飲み始める。ずっと運転していたので、しばしの休憩だった。
そこでドアが開き、メロディが出てくる。
カリウス「起きてたの?」
メロディ「さっき起きたんだ。長い間運転お疲れっ」
カリウス「あぁ。まぁ休みなしって訳にはいかないからな。・・・ねぇメロディ」
メロディ「なぁに?
カリウス「ちょっとだけ、ちょっとだけで良いから・・・一緒に歩こう」
カリウスにそう言われ、それを受け入れたメロディ。
彼等は近くの川のところまで行き、そして朝日を見ていた。
カリウス「・・・こんな時、こんな感じにメロディと話が出来たらなって、前に思ったことがある」
メロディ「そうなんだ?」
カリウス「戦っていない時は・・・よく庭でのことを思い出すよ。あの時は嬉しかった・・・」
メロディ「そう思ってもらえて良かったよ。私も結構勇気出して話したんだからね?」
カリウス「分かってるさ。表情を見ればね」
あの頃から俺が大人だった、なんてことはあり得ない。
まだ無邪気な笑顔を見せられる年だったんだ。
メロディと出会ってからかな、変わったのは・・・。
カリウス「・・・ありがとう、此処までついてきてくれて・・・」
メロディはカリウスの方を見た。
朝日に照らされる光の中に、目に浮かぶ雫を捉えた。
メロディはカリウスにそっと抱きつく。カリウスもメロディを抱き、頭を撫でる。
その行動一つがカリウスの涙腺を一気に緩めた。
カリウスは苦しい思いしてるんだ。
この人は弱みを人の前で言わない。いつでも隠してる。
それが自分の身体に良くないことも知っているはずなのに。
隠すのも上手いよ。
でも・・・そんな状態が続いているから、魔道の力にだって飲み込まれやすくなる・・・。
そこ、本人は気付いているのかな。
私だって魔道の力は使える。でも・・・この力は恐ろしい。
強くなれるけど、人が変わったみたいになってしまうことだってある。
カリウスにはそんな風になってほしくないな・・・。
いい加減、身を焼く思いから解放させてあげたいな・・・。
カリウス「・・・さぁ、行こう」
カリウスはメロディの手をぎゅっと握る。メロディも握りかえし、
彼等は再び車の中へ戻っていく。
―落着まで、あと3日―
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プロフィール
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- 『かくれメタル』です。
性別:男 - blood
- A型
- birth day
- 西暦1994年(平成6年)8月15日
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- 北海道の何処か
- occupation
- 今年(H25)で大学生です。
- introduce
- 当ホームページでは小説を中心に書かせてもらっています。
更新はまちまちだけど、是非見ていって下さい。
よろしくお願いします(・へ・)
