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仮面ライダークウガ 2078最終章


第39話 忘却‐A.D.2013‐

「それで、村雨に接触してきた人物がいるのは本当なのか、敬介?」
「ええ。不思議な・・・俺たち改造人間とも違う妙な気配を感じさせる人物で・・・」

BADAN壊滅から数週間後―――。
村雨邸に向かう本郷(ほんごう)猛(たけし)と神(じん)敬介(けいすけ)がそうやり取り交わしている。
しばらくして村雨邸にたどり着いた2人が室内に入ると、そこには2人を除く8人の仮面ライダーと滝(たき)和也(かずや)、そして立花藤兵衛が集まっていた。
そこに、見慣れない人物が2人に声をかける。

『仮面ライダー1号(始マリノ男)本郷猛、仮面ライダーX(カイゾーグ)神敬介。待ッテイタ』

~~~

モニターに映し出された未確認生命体4号――クウガは目の前に立ちはだかる獅子のような頭部をした怪人と戦闘を行っている。
まるで獲物を捕食するように襲いかかる怪人に対し、クウガはフォームチェンジを駆使しながら手近な物を利用して攻撃を仕掛けていく。
青の姿になりロッドで腹部を突き立てそのまま空へ跳ね上げると、反転して着地しようとする怪人に対してすかさず緑の姿になるとボウガンで射止めようとする。
が、間一髪空中で躱されたとみるやすぐに紫の姿となって落下してきた怪人に対し、下から上へと剣を振り上げる。
袈裟懸けにされた怪人は地面に叩きつけられると、その全身をクウガが放ったエネルギーが駆け巡る。が、次の瞬間、怪人のたてがみに吸収されたかと思うといきなり放射状に開かれ、その全てが放出されていた。
同時に人間態に戻った怪人に対し、赤の姿に戻ったクウガがすかさず拳を繰り出そうとするが、その勢いが一瞬鈍った隙に怪人は怪人態へと戻っていた―――。

「どういう・・・こと・・・!?」
「ライオンみたいな怪人・・・レオ・ゾディアーツか!?」
「えっ、でも私たちが知ってるのとだいぶ見た目違ってない・・・?」
「―――どう見たってあれ、グロンギだろ・・・?」
「まあ、相手がクウガだしな・・・」

クウガの戦いを記録してある映像を見ながら、凛子がそう呟く。
弦太朗とユウキがゾディアーツと勘違いしている中、士とユウスケを含めたリ・イマジネーションライダーたちが納得していた。
だが―――。

「馬鹿な・・・あり得ん・・・!?」

映像を見ながら関がそう呟く。
いや、関だけでなく特務班全員がまるであり得ないものを見ているかのような表情でクウガの戦いの映像を見ている。
そんな特務班の面々に代表するかのように晴人が尋ねる。

「なぁ、何があり得ないんだ・・・?」
「この映像そのものがあり得ないんだ・・・」
「どうして・・・!?仮面ライダークウガとグロンギが戦っているのは別に変なことじゃ・・・」
「未確認生命体(グロンギ)は・・・この日付の13年ほど前に全滅が確認されている」
「でも、生き残りがいた可能性だってあるわよね?ショッカーだって生き残りいるわけだし」

鈴村の言葉の後に疑問を問いかけてきた友子に対し、東京がそう答える。
東京の応答に対し、美羽は生き残りがいたのではと問いかけてきたのでそれに対しては保志や真魚が答える。

「・・・西暦2000年に0号の手によって蘇った未確認生命体は約200体。そのうち38体は4号と当時の警察組織によって倒されている」
「なら残りの162体の内の1体ってことに・・・」
「残り162体全員がその0号の手によって抹殺されているの・・・」
「0号の圧倒的な能力を見れば、生き残れた未確認生命体がいたとはとても思えないわ・・・」

最期に美穂がそう締めくくったあと、エリア0のデータベースに侵入者があったとこを伝えに本郷と滝がコマンドルームに入ってくるが、モニターに映し出されている映像を見て動きを止める。

「お前たちだったのか・・・」
「総監、教えてください。何故この情報を隠蔽していたのかを!?」

関のその問いに答えるかのように本郷が語り始める。

「もし未確認生命体の生き残りがいた、それが判明したらどうなっていたと思う?」
「そりゃ、もちろん仮面ライダーと協力して戦おうとするに決まってるぜ!!」
「まず、間違いなくパニックになるな」

本郷の言葉の後、弦太朗が言ったことをソウジが即座に否定したので、それをユウキが慌てて尋ねていた。

「どうして!?普通なら仮面ライダーと協力して・・・」
「俺も凛子ちゃんも当時の記事を見たりしたから言えるんだけど、正直ファントムが可愛らしく思えるぜ」
「それだけではない。生き残りの未確認生命体は政府の中枢に潜り込んでいた。そんなことが知られてしまっては確実にパニックが起きる。それを防ぐためにはそうするより他は無かったと言うわけだ」
「確かに筋は通ってるな・・・」

晴人がそう言ったあと滝が言った言葉にショウイチは納得の意思を浮かべるが、そんな中で保志が再び2人に尋ねていたので、アスムが保志に尋ねていた。

「―――本当に・・・それが真実なんですか?」
「どうしたんですか保志さん?」
「確かにそうだと言われれば納得できます。でも、何故わざわざ巨大隕石の衝突なんていう偽りの情報を植え付けてまで隠蔽したのか。そもそも隠蔽したという事実が噂にすらなっていないのはいくら何でも不自然すぎます」
「保志三尉、これ以上先は知らなくてもいいことだ」
「ですが・・・!?」

保志の問いにそう返した滝の横で、本郷は一息つくと隠されていた真実を語り始める。

「BADANの壊滅から数週間後、当時のSPIRITSに接触してきた異星人がいた―――」
「本郷・・・!それは上層部のみに知らされている話だぞ・・・!?」
「構わん・・・。こうなった以上、隠し通すのは不可能だ・・・」

滝の咎めるような声に、本郷は諦めたかのような声を出した後真実を続ける。

「その異星人――‷来訪者‴たちはSPIRITS並びに当時の仮面ライダーたちに、アンノウンビーストの情報とその襲撃を伝えてきた―――」



『ビーストハ知的生命体ノ精神エネルギー、ソレモ‷恐怖‴ノ感情ヲ捕食スルベク進化シタ・・・文明ハンタートモ呼ブベキ生命体デ、我々ノ故郷モ奴ラノ襲撃ヲ受ケタ』

『ソノ時、何処ヨリ現レタ‷銀色ノ戦士‴ガソレヲ駆逐シテクレタノダ』

『銀色ノ戦士(カレ)ガ何者ナノカハ我々ニモ分カラナイ。ビーストの天敵トシテ進化シタ生命体ナノカ、古(イニシエ)ノ超文明ガ生ミ出シタ神ナノカ・・・。彼ハ星ヲ救イ、彼方ヘト去ッテ行ッタ』



「なるほど・・・つまりその銀色の戦士のおかげでその来訪者たちは救われたということか」

本郷の説明を聞いてそう呟いた賢吾だったが、それを本郷自身が「いや・・・」と否定する。

「結果から言えば来訪者たちが救われることは無かった」
「どういう・・・ことだ・・・?」
「いつか再びビーストの襲撃を受けるかもしれなという恐怖に駆られた来訪者たちは、高度な文明と科学技術で永久に守ってくれる自分たちの守護神を作り上げた」
「?なら問題無いんじゃないですか?」

ワタルがそう尋ねてきたが、それに対する本郷の回答は想像を絶するものであった。

「人工の神は自身に引き寄せられるように出現したビーストを次々と倒していった。だが、やがて歪んだ自我に目覚めると自らを進化するため、そして神(オリジナル)を超えるためにあろうことか殲滅対象のビーストを制御下に置くと、逆に増殖・進化させ来訪者たちの星は壊滅状態になってしまったため、やむおえず来訪者たちは最後の手段として母星ごとその神を爆破した―――」
「2013年の事件を来訪者たちの力で隠蔽したのは、その時の恐怖でアンノウンビーストの活性化を防ぐためだ。恐怖はさらなるビーストを呼び寄せることになるからな・・・」

想像を絶する本郷と滝の話にコマンドルームにいた全員が言葉を失っていた。
だが、その中の1人が不敵な笑みを人知れず浮かべていたことには誰も気づいていなかった―――。
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