仮面ライダークウガ 2078最終章
第35話 エリアCの攻防
北海道のとある活火山から謎の鳥型の怪生物が飛び立つのが確認された。
まっすぐ飛行し続ける怪鳥迎撃のため、極東本部の警務局が出撃したが―――。
「総監!何故あんな無茶な無茶な命令を下したんですか!?」
本郷の命令により正面から迎撃した警務局員に多くの重軽傷者が出たことを、関は本郷に声を荒げながら抗議する。
「そうしてでも遠ざけなければならない理由があったんだ。あの先にあるエリアCには・・・」
「エリアC・・・?」
~~~
「ん・・・・・」
「目が覚めたか・・・」
自室のベットの上で目を覚ました初老の男性――根津シュウイチに、知人の医師らしき男が声をかける。
「私には・・・あとどれほど時間が残っている・・・?」
「次に発作が起きれば・・・もう助からないだろう」
「なら、まだ時間はあるな・・・」
そう言うと、机の上に置いてある実験器具の元に向かおうとするシュウイチを医師は声を荒げて止める。
「いい加減にしろ!そんな体になってまで研究を続けてどうする!?」
「私には・・・こうすることでしか償うことはできないのだ・・・」
そのとき、テレビに流れた1つのニュースを見て、シュウイチは動きを止めていた。
『次のニュースをお伝えします。北海道から出現した謎の怪鳥は、M.C.D.F.極東本部警務局の攻撃を受けると浅間山へと姿を消しました。これにより、付近の住人の速やかな避難が進められ―――』
「あれは・・・!?」
~~~
「新型のコズミックエナジー?」
「ああ。怪鳥が目指していた進行方向の先には、根津博士が開発したコズミックエナジーが保管されているらしい」
関は本郷より聞いた話をコマンドルームで説明していた。すると、根津博士についてネットで調べていた友子が調べた結果分かったことを述べ始める。
「根津シュウイチ。元エネルギー開発機構所長で、30年前に新型コズミックエナジーの開発に成功するも自宅で保管していたサンプルにより起きた爆発事故で一人娘を失い、以後呪われた学者として学会を追放された・・・」
「何て奴だ・・・。自身の不注意で自分の子供を死なせるなんて・・・!?」
「いや、そのことなんだけど・・・」
友子の述べたことに悪態をついた流星に対して保志は何か言おうとするが、そこに綾子が入ってくる。
「今受付から連絡があって、受付に根津シュウイチって名乗る男性が来てるらしいんですけど・・・」
「ならさっそく俺が説教してくるぜッ!!」
「あ、おい!?」
そう言って飛び出していく弦太朗と流星をショウイチは止めようとするが、2人はそのまま飛び出していった。
保志たちが受付へと向かうと流星がシュウイチに掴みかかっている場面に遭遇すると、流星を引きはがしながら30年前の真相を語り始める。
「根津博士はコズミックエナジーの実用化に関しては反対派の1人だったんだ」
「何で!?コズミックエナジーの実用はフォーゼでちゃんと証明されて・・・」
「コズミックエナジーはとても実用化できる代物ではない!!」
ユウキが持った疑問をシュウイチはバッサリ切り捨てると、その理由を語り始める。
「純度の低いものでは既存のエネルギー物質にはるかに劣る変換効率のうえ、純度を高めたり量を増やせば増やすほど暴発の危険性は上がっていく。そのことを私は30年前にも主張していた・・・」
「だけど、コズミックエナジーを自身の利益に結びつけようと考えていた推進派は、あなたをその世界からの抹殺しようとした。・・・・コズミックエナジーの管理上の不注意という形で―――」
「そんな・・・」
そのやり取りの後、シュウイチはここに訪れたわけを話し始める。
「あの鳥はパロと言います。パロをエリアCに近づけさせないでください」
「パロ?」
「娘が飼っていた小鳥です。パロは娘の死に追いやったコズミックエナジーを憎み、破壊するために向かっています」
そう伝えて去ろうとするシュウイチを弦太朗は引き止める。
「ちょっと待ってくれ!あんたどこに行こうってんだ!?」
「・・・私にはまだやらなければならない研究が残っているんです―――」
「あんたこんな状況で何を・・・・!?」
声を荒げる流星を押しとどめると、保志はシュウイチに静かに尋ねる。
「博士、もしかして・・・コズミックエナジーを無くす研究をしているんじゃないんですか・・・?」
「私は・・・残された生涯をかけてでも成し遂げなければならない。それが私の贖罪なんです・・・。生きている限り、必ず、これからできることがあります・・・」
「確かあの人・・・不治の病に侵されて余命わずかな状態って、聞いてたけど・・・」
「そんな状態になっても1人で戦い続けていたのか・・・・」
去って行くシュウイチを見送りながら、美穂と鈴村はそうやり取りを交わしていた―――。
~~~
浅間山の火口で傷ついた体を休めていたパロは、あの日のことを思い出していた―――。
『すまんなメグミ、今日も帰れそうにないんだ。パロと留守を頼む』
「大丈夫。パロは私の一番の親友だもん!」
シュウイチは自身の娘――メグミとそう電話でやり取りをしている。
そんな中、何者かがシュウイチの自宅に侵入すると何かの装置を設置すると、その装置を起動させて逃げていく。
次の瞬間、設置された装置が爆発すると巨大な炎が家の中を覆っていく。
「パロ?どうしたの?」
『どうしたんだメグミ?』
突如暴れ始めたパロを見てメグミは不思議そうに尋ねるが、メグミのいる部屋に炎が入ってくるのを見てとっさに窓を開けてパロを外に逃がす。
「パロ逃げて!!」
爆発によって炎に包まれる家から1羽の小鳥が体を炎に包みながら飛び出していった―――。
「うっ・・・・ぐっ・・・・・!?」
「お客さん!?大丈夫ですか!?」
帰りのタクシーに乗っていたシュウイチは突如胸を押さえて苦しみだしたため、運転手が慌てて声をかける。
それと時を同じくして、浅間山からパロが飛び立ったという連絡が極東本部に入っていた。
~~~
エリアCを目指していたパロだったが、突如下から襲い掛かってきた火炎弾が命中し、地面にたたき落とされていた。
「これ以上先にはいかせないぜ!!」
墜落してパロが起き上がってなおもエリアCを目指そうとしているをの見て、フォーゼファイヤーステイツが目の前に立ちふさがる。
すると、パロは口から黄色の熱線をフォーゼ目がけて放たれたため、フォーゼはその熱線を真正面から受け止めようとする。が―――
「うあぁっ!?」
光線を被弾したフォーゼは熱線を吸収するどころかその威力によって後ろに吹っ飛ばされるとそのまま変身が解除されてしまった。
「何故だ!?何故吸収できないんだ!?」
『―――なるほど。そういうことか』
「フィリップ、何が分かったんだ?」
『あの熱線はただの熱線じゃない。自身の生命エネルギーを熱線状に変換して放っているものだ』
「おい、その言い方だと熱線を放てば放つほど自分の命削っていることになるぞ!?」
『そうまでしても破壊したいほどコズミックエナジーを憎んでいるってことさ』
あっさり倒されたフォーゼを見て賢吾は驚きの声をあげるが、地球の本棚を使って検索を終えたフィリップがダブルヒートトリガーのソウルサイドの目を点滅させながら翔太郎と会話を交わす。
「どっちにしろ、コズミックエナジーを破壊されたらこの周辺が汚染されることになるぞ・・・!?」
「これ以上進ませるわけにはいかないってことか・・・!!」
関と笹沼がそうやり取りしたあと、パロに対し総攻撃が開始される。
ブラストシューターやブラストランチャーによる一斉砲撃の後ダブルヒートトリガーによるトリガーエクスプロージョンが命中し、大きな爆発が起こる。
「やったか!?」
メテオがそう声を発するが、爆炎の中から翼の一部が燃やしながらパロが姿を現す。
体のあちこちに火傷を作りながらも保管庫を目指すパロに対し、メテオはスターライトシャワーで攻撃していくが、パロはその攻撃に怯むどころかなおも前進すると、両爪でメテオを引き裂くと至近距離から熱線を浴びせ変身を解除させてしまった。
そのとき、保志は保管庫を目指してシュウイチが駆けていくのに気づく。
コズミックエナジーを安全な場所に運ぼうとしていることを察知した保志は、クウガに変身してパロの足止めにかかる。
クウガはパロを掴むと、保管庫とは反対の方向に投げ飛ばす。
起き上がったパロはすぐさま熱線をクウガ目がけて連射するが、すぐさま熱線は途切れてしまう。
熱線が途切れた隙をついてパロにキックを入れると、さらに回し蹴りを浴びせて後方に蹴り飛ばす。
後方に吹っ飛んだパロにクウガは追撃を浴びせにかかるが、パロはカウンターとして爪でクウガを切り裂く。
地面に倒れこんだクウガを一瞥しながら鳴き声を上げると、パロは保管庫を目指し歩き始める。
これまでの戦闘のダメージもあってか、パロは体中から血を流しているだけでなく口から吐血し始める。
そしてついに限界が来たのかパロはエリアCの入り口近くで倒れこむ。
そのとき、コズミックエナジーを運び出そうとしていたシュウイチがパロの目の前に現れてしまう。
それらを目の前にしたパロは口内に光を溜め始める―――。
しかし、いつまでたってもその光がシュウイチに襲い掛かることはなかった。
「パロ・・・これを、そこに運べというのか・・・?」
シュウイチの足元に光を照射しながらパロはそれが正解だと言わんばかりに弱弱しく鳴き声を上げる。
その光の中にコズミックエナジーを収めてある箱を置くと、箱の中のコズミックエナジーをパロが飲み込んでいくのを見届ける。
「お前・・・初めからこのために・・・!?」
「どういうこと・・・!?」
「あいつ・・・初めからコズミックエナジーを飲み込むつもりで・・・」
ユウキがパロの行動に驚きを隠せないでいる横で、変身を解除しながら翔太郎はそうつぶやく。
「ありがとう・・・!パロ・・・!」
「根津博士・・・!?」
それと同時に発作を起こして倒れたシュウイチに関が駆け寄る。
しかし、シュウイチはすでに息を引き取っていた。
それを見たパロは飛び立とうとするが、すでに翼は飛行が不可能といえるほどボロボロになっており、パロ自身もすでに駆け寄ったクウガに支えられなければ立っていることができないほどに弱り切っていた。
『ワイヤースタンバイ・・・。総司、美穂・・・パロの最期の願いだ。俺たちで連れて行ってやろう・・・』
「了解・・・」
「―――はい・・」
クウガに支えられながらもなおを宇宙(そら)に向かって飛び立とうとするパロを見て、関はそう指示を出す。
ネクサスとコスモが牽引しながら運ばれたパロは、そのまま宇宙空間に放たれる。
その直後、地上のシュウイチの亡骸から光の玉が飛び出すと、そのままパロと一体化し光り輝く鳥の姿へと変貌を遂げる。
そして先導するかのように飛行していたクウガが作り出した光の道を羽ばたきながら進んでいった―――。
~~~
極東本部で行われたシュウイチの葬儀の後、霊柩車によって運ばれていくシュウイチを見送りながら保志たち特殊戦略任務班が会話を交わしていた。
「パロの件の後に根津博士の自宅に行ったんだけど・・・驚くほど何も無かったんだよ・・・」
「濡れ衣を着せられた以上・・・その世界との交流も取っていないだろうしな・・・」
限られた研究器具しか確認できなかった研究室と長年に渡って診察を行っていた医師しか出席していなかったシュウイチの葬儀を思い出しながら関と笹沼がそうやり取りをしている横で、保志はシュウイチの言葉を思い出していた。
「生きている限り、必ず、これからできることがある・・・か―――」
まっすぐ飛行し続ける怪鳥迎撃のため、極東本部の警務局が出撃したが―――。
「総監!何故あんな無茶な無茶な命令を下したんですか!?」
本郷の命令により正面から迎撃した警務局員に多くの重軽傷者が出たことを、関は本郷に声を荒げながら抗議する。
「そうしてでも遠ざけなければならない理由があったんだ。あの先にあるエリアCには・・・」
「エリアC・・・?」
~~~
「ん・・・・・」
「目が覚めたか・・・」
自室のベットの上で目を覚ました初老の男性――根津シュウイチに、知人の医師らしき男が声をかける。
「私には・・・あとどれほど時間が残っている・・・?」
「次に発作が起きれば・・・もう助からないだろう」
「なら、まだ時間はあるな・・・」
そう言うと、机の上に置いてある実験器具の元に向かおうとするシュウイチを医師は声を荒げて止める。
「いい加減にしろ!そんな体になってまで研究を続けてどうする!?」
「私には・・・こうすることでしか償うことはできないのだ・・・」
そのとき、テレビに流れた1つのニュースを見て、シュウイチは動きを止めていた。
『次のニュースをお伝えします。北海道から出現した謎の怪鳥は、M.C.D.F.極東本部警務局の攻撃を受けると浅間山へと姿を消しました。これにより、付近の住人の速やかな避難が進められ―――』
「あれは・・・!?」
~~~
「新型のコズミックエナジー?」
「ああ。怪鳥が目指していた進行方向の先には、根津博士が開発したコズミックエナジーが保管されているらしい」
関は本郷より聞いた話をコマンドルームで説明していた。すると、根津博士についてネットで調べていた友子が調べた結果分かったことを述べ始める。
「根津シュウイチ。元エネルギー開発機構所長で、30年前に新型コズミックエナジーの開発に成功するも自宅で保管していたサンプルにより起きた爆発事故で一人娘を失い、以後呪われた学者として学会を追放された・・・」
「何て奴だ・・・。自身の不注意で自分の子供を死なせるなんて・・・!?」
「いや、そのことなんだけど・・・」
友子の述べたことに悪態をついた流星に対して保志は何か言おうとするが、そこに綾子が入ってくる。
「今受付から連絡があって、受付に根津シュウイチって名乗る男性が来てるらしいんですけど・・・」
「ならさっそく俺が説教してくるぜッ!!」
「あ、おい!?」
そう言って飛び出していく弦太朗と流星をショウイチは止めようとするが、2人はそのまま飛び出していった。
保志たちが受付へと向かうと流星がシュウイチに掴みかかっている場面に遭遇すると、流星を引きはがしながら30年前の真相を語り始める。
「根津博士はコズミックエナジーの実用化に関しては反対派の1人だったんだ」
「何で!?コズミックエナジーの実用はフォーゼでちゃんと証明されて・・・」
「コズミックエナジーはとても実用化できる代物ではない!!」
ユウキが持った疑問をシュウイチはバッサリ切り捨てると、その理由を語り始める。
「純度の低いものでは既存のエネルギー物質にはるかに劣る変換効率のうえ、純度を高めたり量を増やせば増やすほど暴発の危険性は上がっていく。そのことを私は30年前にも主張していた・・・」
「だけど、コズミックエナジーを自身の利益に結びつけようと考えていた推進派は、あなたをその世界からの抹殺しようとした。・・・・コズミックエナジーの管理上の不注意という形で―――」
「そんな・・・」
そのやり取りの後、シュウイチはここに訪れたわけを話し始める。
「あの鳥はパロと言います。パロをエリアCに近づけさせないでください」
「パロ?」
「娘が飼っていた小鳥です。パロは娘の死に追いやったコズミックエナジーを憎み、破壊するために向かっています」
そう伝えて去ろうとするシュウイチを弦太朗は引き止める。
「ちょっと待ってくれ!あんたどこに行こうってんだ!?」
「・・・私にはまだやらなければならない研究が残っているんです―――」
「あんたこんな状況で何を・・・・!?」
声を荒げる流星を押しとどめると、保志はシュウイチに静かに尋ねる。
「博士、もしかして・・・コズミックエナジーを無くす研究をしているんじゃないんですか・・・?」
「私は・・・残された生涯をかけてでも成し遂げなければならない。それが私の贖罪なんです・・・。生きている限り、必ず、これからできることがあります・・・」
「確かあの人・・・不治の病に侵されて余命わずかな状態って、聞いてたけど・・・」
「そんな状態になっても1人で戦い続けていたのか・・・・」
去って行くシュウイチを見送りながら、美穂と鈴村はそうやり取りを交わしていた―――。
~~~
浅間山の火口で傷ついた体を休めていたパロは、あの日のことを思い出していた―――。
『すまんなメグミ、今日も帰れそうにないんだ。パロと留守を頼む』
「大丈夫。パロは私の一番の親友だもん!」
シュウイチは自身の娘――メグミとそう電話でやり取りをしている。
そんな中、何者かがシュウイチの自宅に侵入すると何かの装置を設置すると、その装置を起動させて逃げていく。
次の瞬間、設置された装置が爆発すると巨大な炎が家の中を覆っていく。
「パロ?どうしたの?」
『どうしたんだメグミ?』
突如暴れ始めたパロを見てメグミは不思議そうに尋ねるが、メグミのいる部屋に炎が入ってくるのを見てとっさに窓を開けてパロを外に逃がす。
「パロ逃げて!!」
爆発によって炎に包まれる家から1羽の小鳥が体を炎に包みながら飛び出していった―――。
「うっ・・・・ぐっ・・・・・!?」
「お客さん!?大丈夫ですか!?」
帰りのタクシーに乗っていたシュウイチは突如胸を押さえて苦しみだしたため、運転手が慌てて声をかける。
それと時を同じくして、浅間山からパロが飛び立ったという連絡が極東本部に入っていた。
~~~
エリアCを目指していたパロだったが、突如下から襲い掛かってきた火炎弾が命中し、地面にたたき落とされていた。
「これ以上先にはいかせないぜ!!」
墜落してパロが起き上がってなおもエリアCを目指そうとしているをの見て、フォーゼファイヤーステイツが目の前に立ちふさがる。
すると、パロは口から黄色の熱線をフォーゼ目がけて放たれたため、フォーゼはその熱線を真正面から受け止めようとする。が―――
「うあぁっ!?」
光線を被弾したフォーゼは熱線を吸収するどころかその威力によって後ろに吹っ飛ばされるとそのまま変身が解除されてしまった。
「何故だ!?何故吸収できないんだ!?」
『―――なるほど。そういうことか』
「フィリップ、何が分かったんだ?」
『あの熱線はただの熱線じゃない。自身の生命エネルギーを熱線状に変換して放っているものだ』
「おい、その言い方だと熱線を放てば放つほど自分の命削っていることになるぞ!?」
『そうまでしても破壊したいほどコズミックエナジーを憎んでいるってことさ』
あっさり倒されたフォーゼを見て賢吾は驚きの声をあげるが、地球の本棚を使って検索を終えたフィリップがダブルヒートトリガーのソウルサイドの目を点滅させながら翔太郎と会話を交わす。
「どっちにしろ、コズミックエナジーを破壊されたらこの周辺が汚染されることになるぞ・・・!?」
「これ以上進ませるわけにはいかないってことか・・・!!」
関と笹沼がそうやり取りしたあと、パロに対し総攻撃が開始される。
ブラストシューターやブラストランチャーによる一斉砲撃の後ダブルヒートトリガーによるトリガーエクスプロージョンが命中し、大きな爆発が起こる。
「やったか!?」
メテオがそう声を発するが、爆炎の中から翼の一部が燃やしながらパロが姿を現す。
体のあちこちに火傷を作りながらも保管庫を目指すパロに対し、メテオはスターライトシャワーで攻撃していくが、パロはその攻撃に怯むどころかなおも前進すると、両爪でメテオを引き裂くと至近距離から熱線を浴びせ変身を解除させてしまった。
そのとき、保志は保管庫を目指してシュウイチが駆けていくのに気づく。
コズミックエナジーを安全な場所に運ぼうとしていることを察知した保志は、クウガに変身してパロの足止めにかかる。
クウガはパロを掴むと、保管庫とは反対の方向に投げ飛ばす。
起き上がったパロはすぐさま熱線をクウガ目がけて連射するが、すぐさま熱線は途切れてしまう。
熱線が途切れた隙をついてパロにキックを入れると、さらに回し蹴りを浴びせて後方に蹴り飛ばす。
後方に吹っ飛んだパロにクウガは追撃を浴びせにかかるが、パロはカウンターとして爪でクウガを切り裂く。
地面に倒れこんだクウガを一瞥しながら鳴き声を上げると、パロは保管庫を目指し歩き始める。
これまでの戦闘のダメージもあってか、パロは体中から血を流しているだけでなく口から吐血し始める。
そしてついに限界が来たのかパロはエリアCの入り口近くで倒れこむ。
そのとき、コズミックエナジーを運び出そうとしていたシュウイチがパロの目の前に現れてしまう。
それらを目の前にしたパロは口内に光を溜め始める―――。
しかし、いつまでたってもその光がシュウイチに襲い掛かることはなかった。
「パロ・・・これを、そこに運べというのか・・・?」
シュウイチの足元に光を照射しながらパロはそれが正解だと言わんばかりに弱弱しく鳴き声を上げる。
その光の中にコズミックエナジーを収めてある箱を置くと、箱の中のコズミックエナジーをパロが飲み込んでいくのを見届ける。
「お前・・・初めからこのために・・・!?」
「どういうこと・・・!?」
「あいつ・・・初めからコズミックエナジーを飲み込むつもりで・・・」
ユウキがパロの行動に驚きを隠せないでいる横で、変身を解除しながら翔太郎はそうつぶやく。
「ありがとう・・・!パロ・・・!」
「根津博士・・・!?」
それと同時に発作を起こして倒れたシュウイチに関が駆け寄る。
しかし、シュウイチはすでに息を引き取っていた。
それを見たパロは飛び立とうとするが、すでに翼は飛行が不可能といえるほどボロボロになっており、パロ自身もすでに駆け寄ったクウガに支えられなければ立っていることができないほどに弱り切っていた。
『ワイヤースタンバイ・・・。総司、美穂・・・パロの最期の願いだ。俺たちで連れて行ってやろう・・・』
「了解・・・」
「―――はい・・」
クウガに支えられながらもなおを宇宙(そら)に向かって飛び立とうとするパロを見て、関はそう指示を出す。
ネクサスとコスモが牽引しながら運ばれたパロは、そのまま宇宙空間に放たれる。
その直後、地上のシュウイチの亡骸から光の玉が飛び出すと、そのままパロと一体化し光り輝く鳥の姿へと変貌を遂げる。
そして先導するかのように飛行していたクウガが作り出した光の道を羽ばたきながら進んでいった―――。
~~~
極東本部で行われたシュウイチの葬儀の後、霊柩車によって運ばれていくシュウイチを見送りながら保志たち特殊戦略任務班が会話を交わしていた。
「パロの件の後に根津博士の自宅に行ったんだけど・・・驚くほど何も無かったんだよ・・・」
「濡れ衣を着せられた以上・・・その世界との交流も取っていないだろうしな・・・」
限られた研究器具しか確認できなかった研究室と長年に渡って診察を行っていた医師しか出席していなかったシュウイチの葬儀を思い出しながら関と笹沼がそうやり取りをしている横で、保志はシュウイチの言葉を思い出していた。
「生きている限り、必ず、これからできることがある・・・か―――」
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