仮面ライダークウガ 2078最終章
第33話 幻‐ファントム‐
現在この時代では、太陽の光で電気を起こしそれをマイクロ波にして地上に送るというシステムの実験中であった。
太陽光を利用した発電なら無害なエネルギーを無尽蔵に得ることができる。
だがそれは、あくまで〝人間にとって"便利なだけであった―――。
「で、何で彼は海に墜落したの?」
「何でも最近全く活躍してないからってロケットステイツになって空飛んでたら、いきなり噴射が止まってそのまま墜落したんだって」
担架に乗せられてメディカルセンターに運ばれていった弦太郎を呆れながら見ていた真魚に保志がことの経緯を説明している。
そしてコマンドルームに戻る途中に私服姿の綾子に出会う。
「あ、そう言えば今日だっけ?彼が帰国するのって」
「はい。だから今から迎えに行ってきます」
「―――なぁ、誰を迎えに行くんだ?」
綾子を見送った2人に対し後からやってきた晴人が尋ねると、真魚と保志が説明する。
「彼女の恋人は現役のバイクレーサーで緒乃ダンって言うんだけど、もうじき開催される日本グランプリに出場するために今日帰国するらしいの」
「で、この機会に綾子の家族に挨拶するらしくて」
「ふーん」
「それより、晴人と凛子はいつ結婚すんの?早く結婚してくんないと俺も美徳も生まれてこないことになっちゃうからさ」
「Σさらっと何言ってんだあんたっ!?」
「東京には予定通り着きますか?」
「順調に飛行していますので、予定通り到着いたしますよ」
アポロ航空820便に搭乗しているダンの言葉にキャビンアテンダントはそう答える。
座っていたシートに背を預けながらダンは首にかけていたロケットに手をやる。
いつの間にか雲の中に突入していた飛行機の中で、ふとダンは違和感に襲われる。
(――何か鳴き声が聞こえたような・・・――)
やがて、聞こえてくる鳴き声が大きくなり多くの乗員乗客もそれに気づき始める。
そして大きな閃光に820便が包まれたのだった―――。
「アポロ航空820便と通信不能になったと着陸予定の空港から連絡が入った」
「通信不能になる前に変わったことは無かったんですか?」
「いや、突然通信が不能になったらしい」
極東本部コマンドルームで伝えられた情報に真魚が関にそう尋ねるが、関は何も分かっていないことを伝える。
すると、扉を蹴破る勢いで扉にぶつかりながらメディカルセンターに運ばれたはずの弦太郎が入ってくる。
「だったら俺に任せろ!!」
「「「いや何でだよ!?」」」
「何も分かってないんなら直接現場に行って調べなきゃなんないんだろ?だったらあらゆる状況に対応できるフォーゼの出番だぜ!!」
「いや、ちゃんとした調査チームが向かう準備をしt」
「じゃあ、さっそく行ってくるぜェェェェ!!」
「「「ちょっと待てそこのリーゼントォォォ!?」」」
話を最後まで聞かず、歴代最強クラスのおバカ(と書いて弦太郎と読む)はフォーゼに変身しながら極東本部を飛び出すと、ロケットモジュールを展開して飛んでいく。
そして、しばらくすると―――
「如月弦太郎、目的地の10㎞手前で墜落しました」
「何しに出て行ったんだあのバカ・・・!?」
「だがおかしい。ロケットスイッチをはじめとした全アストロスイッチもフォーゼドライバーにも一切異常個所は無かったはずだったんだが・・・」
軌道上の人工衛星から送られた情報で、フォーゼが目的地に到達することなく墜落したことが伝えられる。
士があきれ果てながらそう声を出している横で、賢吾はフォーゼの墜落に疑問を抱く。
すると、続けて送らて来た映像を見てコマンドルームの空気は一変する。
雲を突き抜けるようにその中からエイのようなシルエットをした生命体が飛び出してくる。
「エリオネ・・・・!?こいつが原因だったのか・・・!?」
「でも、一体何がどんな理由で!?」
再び姿を現したエリオネの姿に様々な声が飛び交っている中、地球の本棚を見ていたフィリップが「そういうことか」と、声を出す。
「奴はマイクロ波発電のマイクロ波が巣を直撃したことで再び変異した存在なんだ。そのおかげとも言うべきか、マイクロ波に過敏に反応するようになってしまった」
「マジかよ・・・!?」
「それだけじゃない。体内のプラズマエネルギーの大幅な増大による帯電体質化によって半径10㎞圏内の電子機器が使い物にならなくなってしまう」
「それで二度も墜落したのか・・・!!」
流星はフォーゼの墜落の原因に納得しているが、問題はそこでは無かった。
「マイクロ波に反応するってことは・・・・」
「ああ。目指しているのはマイクロ波発電の実験施設だな」
「マズいっすよ。あそこの超電動リングが破壊されたら首都圏が壊滅することに・・・!?
「問題はどうやってエリオネに対処するかということよね・・・」
「答えは一つしかないはずだ。今すぐうって出る!!」
「忘れたのか?奴の帯電体質の影響で殆どのライダーシステムは正常に作動しない可能性があるんだ。何の考えもなしに出ても意味がない」
「クッ・・・!!」
関たちの会話の後に流星は今すぐ戦いに行くべきだというが、ショウイチによって止められていた。
そんな中、光彦がぽつりと提案する。
「奴がマイクロ波に反応するのなら、それを利用したらどうですかね?」
「利用?」
「つまりマイクロ波で奴を安全に倒せる場所まで誘導するんですよ」
「誘導させるにしても下手したらライダーマシンすら動かない可能性だってあるぞ?」
「いや、科学局に保管されているビートチェイサー3000なら大丈夫のはずだ。あれにはコンピューターシステムは搭載されてないからな」
さらにこの後のやり取りで、囮役に決定した光彦が保志のいる地点まで誘導することが決まったが、そんな中で笹沼がぽつりと呟いていた。
「にしても綾子遅ぇな―――・・・」
「あぁー、もう!何で急に動かなくなったのよぉー!?」
空港に車で向かっていた綾子だったが、携帯していた通信機からの連絡で急きょ引き返していた。
が、急にその車が動かなくなってしまった。
車体の屋根を叩きながら文句を垂れていた綾子だったが、ふと何かの鳴き声が聞こえてきたのに気づく。
見ると、離れた場所から飛んできているエリオネが口からプラズマ弾をこちらに放とうとしているのに気づく。
慌てて車から離れ始めた綾子だったが、エリオネの放ったプラズマ弾は車体に命中すると大きな爆発を発生させる。
その爆発に吹っ飛ばされた綾子は気を失ってしまった―――。
『もうじきエリオネの影響下に入る。マイクロ波発信装置のスイッチを入れろ』
「了解」
ビートチェイサーに積まれたマイクロ波発信装置のスイッチを入れると、やがてそれに引き寄せられるかのようにエリオネがこちらに向かって飛んでくる。
そして作戦通りエリオネを誘導し始めていたが―――
「おい、マズイぞ・・・!?」
「どうした?」
「綾子が倒れてる・・・!!」
「何っ!?」
笹沼の持っていた双眼鏡で覗き込んだ関は倒れこんでいる綾子に気づく。
それはバイクに乗っていた光彦も気づいていたが、エリオネを誘導しているためどうすることもできないでいた。
しかしそのとき、周りに霧が立ち込め始めたかと思うと一台のバイクがエンジン音を鳴らしながら突如姿を現す。そしてビートチェイサーに並走し始めると、自分がその装置を積んで囮役になると伝えてくる。
そのバイクに発信装置を移し替えた後、バイクに乗っていた男は光彦にあることを告げていた。
「彼女を、綾子を早く!」
「君はまさか・・・」
男は光彦の言葉にこたえることなくバイクを発進させる。
そのすきに光彦は綾子に駆け寄ると、抱き起す。その際、気が付いた綾子はエリオネの放つプラズマ弾を巧みにかわしていくバイクを見ながらポツリと呟く。
「ダン・・・?ダンが来てるの・・・?」
「ああ、彼は来てくれたぞ・・・」
エリオネを誘導しながら走っているバイクとすれ違った保志は、ふと軽い違和感を感じたが、目の前にエリオネが迫ってき始めていたのに気づくと、それを頭の隅に追いやりクウガに変身すると、飛行しているエリオネめがけて飛び蹴りを放ち撃墜させる。
地面に撃墜したエリオネと組み合ってくるクウガに対し、エリオネは噛みつきやプラズマ弾を放つなどをして攻撃してくる。
体内のプラズマエネルギーが増大しているからだろうか、エリオネの戦闘能力は以前の個体よりもはるかに上昇しているためクウガは苦戦し始める。
クウガは自身に放たれたプラズマ弾を腕を使って弾くが、連射されたことによって防ぎきれなかったプラズマ弾の一部が次々とクウガの体へと命中し火花を上げて爆発する。
一旦プラズマ弾の発射を止めたエリオネは立ち込める白煙を眺めていたが、その白煙の中からタイタンフォームとなっていたクウガが無傷で姿を現す。
クウガはすぐさまガイアタイタンにチェンジすると、エリオネの腹部に強烈なストレートパンチを放って怯ませる。
さらに追撃としてクウガはエリオネのあごにスカイアッパーを放って後方へと吹っ飛ばす。
すぐさま起き上がったエリオネの放ったプラズマ弾をジャンプして回避したクウガに対し、エリオネは再びプラズマ弾を発射する。
そのプラズマ弾を受け止めると、クウガはそれを自身のエネルギー球へと変換しエリオネめがけてうち返す。
エリオネはその攻撃をジャンプして回避するが、地面に当たったエネルギー球はその場でバウンドするとエリオネに直撃すると、エリオネは爆散し消滅したのだった―――。
戦いの後、辺りが夕日に染まり始める中で再び周りを霧が立ち込め始めると、その霧の中から一台のバイクが姿を現す。
バイクに乗った男――ダンと綾子はようやく対面していた。
「ダン・・・・。会いたかった・・・・」
「俺もさ、綾子。でもごめん。俺はここにはいられないんだ」
「―――どうして・・・!?やっと会えたのに・・・・!?」
「・・・もう行かなきゃならないんだ―――」
「どこに!?待っていたのよ!?ダンのこと・・・ずっと待っていたんだから!?」
「愛してるよ、綾子」
「ダン・・・」
「これからもずっと・・・」
「いや・・・いや・・・!」
「君に会えて本当によかった―――」
綾子との会話の途中から足元から消え始めていたダンは最後にそう言い残すと、光となって姿を消した。
ダンの消えた場所に残されていたロケットを拾い上げた綾子に対し、光彦は静かに歩み寄る。
「光彦・・・」
「我慢は・・・体に良くないぞ・・・?」
その言葉によってたかが外れたかのように涙を流し始めた綾子は光彦の胸に飛び込む。
「どういう・・・こと・・・?」
「―――そうか、分かった。」
このやり取りを離れた位置で見ていた保志達の中で凛子がそうつぶやいた後、通信機でどこかとやり取りをしていた関が今伝わってきたことを伝える。
「ついさっき分かったことらしいが緒乃ダンはエリオネに破壊された820便に・・・確かに搭乗していたそうだ」
「じゃあ、ついさっきまであそこにいたのって・・・!?」
「―――人間の霊魂の正体はプラズマだって話を聞いたことがある。エリオネの強力なプラズマエネルギーにその緒乃ダンの魂が反応したのだったとしたら・・・」
「それだけじゃないと思う。何としてでも彼女の元に帰ろうっていう彼の強い意志が・・・もう一度この世に姿を現すためのきっかけになったんだと・・・俺はそう思いたい・・・」
「私も・・・そう信じたい・・・」
ユウスケとシンジの言葉の後、保志と真魚はそれぞれそうつぶやきながら夕日の中で寄り添う2人を見つめていた―――。
太陽光を利用した発電なら無害なエネルギーを無尽蔵に得ることができる。
だがそれは、あくまで〝人間にとって"便利なだけであった―――。
「で、何で彼は海に墜落したの?」
「何でも最近全く活躍してないからってロケットステイツになって空飛んでたら、いきなり噴射が止まってそのまま墜落したんだって」
担架に乗せられてメディカルセンターに運ばれていった弦太郎を呆れながら見ていた真魚に保志がことの経緯を説明している。
そしてコマンドルームに戻る途中に私服姿の綾子に出会う。
「あ、そう言えば今日だっけ?彼が帰国するのって」
「はい。だから今から迎えに行ってきます」
「―――なぁ、誰を迎えに行くんだ?」
綾子を見送った2人に対し後からやってきた晴人が尋ねると、真魚と保志が説明する。
「彼女の恋人は現役のバイクレーサーで緒乃ダンって言うんだけど、もうじき開催される日本グランプリに出場するために今日帰国するらしいの」
「で、この機会に綾子の家族に挨拶するらしくて」
「ふーん」
「それより、晴人と凛子はいつ結婚すんの?早く結婚してくんないと俺も美徳も生まれてこないことになっちゃうからさ」
「Σさらっと何言ってんだあんたっ!?」
「東京には予定通り着きますか?」
「順調に飛行していますので、予定通り到着いたしますよ」
アポロ航空820便に搭乗しているダンの言葉にキャビンアテンダントはそう答える。
座っていたシートに背を預けながらダンは首にかけていたロケットに手をやる。
いつの間にか雲の中に突入していた飛行機の中で、ふとダンは違和感に襲われる。
(――何か鳴き声が聞こえたような・・・――)
やがて、聞こえてくる鳴き声が大きくなり多くの乗員乗客もそれに気づき始める。
そして大きな閃光に820便が包まれたのだった―――。
「アポロ航空820便と通信不能になったと着陸予定の空港から連絡が入った」
「通信不能になる前に変わったことは無かったんですか?」
「いや、突然通信が不能になったらしい」
極東本部コマンドルームで伝えられた情報に真魚が関にそう尋ねるが、関は何も分かっていないことを伝える。
すると、扉を蹴破る勢いで扉にぶつかりながらメディカルセンターに運ばれたはずの弦太郎が入ってくる。
「だったら俺に任せろ!!」
「「「いや何でだよ!?」」」
「何も分かってないんなら直接現場に行って調べなきゃなんないんだろ?だったらあらゆる状況に対応できるフォーゼの出番だぜ!!」
「いや、ちゃんとした調査チームが向かう準備をしt」
「じゃあ、さっそく行ってくるぜェェェェ!!」
「「「ちょっと待てそこのリーゼントォォォ!?」」」
話を最後まで聞かず、歴代最強クラスのおバカ(と書いて弦太郎と読む)はフォーゼに変身しながら極東本部を飛び出すと、ロケットモジュールを展開して飛んでいく。
そして、しばらくすると―――
「如月弦太郎、目的地の10㎞手前で墜落しました」
「何しに出て行ったんだあのバカ・・・!?」
「だがおかしい。ロケットスイッチをはじめとした全アストロスイッチもフォーゼドライバーにも一切異常個所は無かったはずだったんだが・・・」
軌道上の人工衛星から送られた情報で、フォーゼが目的地に到達することなく墜落したことが伝えられる。
士があきれ果てながらそう声を出している横で、賢吾はフォーゼの墜落に疑問を抱く。
すると、続けて送らて来た映像を見てコマンドルームの空気は一変する。
雲を突き抜けるようにその中からエイのようなシルエットをした生命体が飛び出してくる。
「エリオネ・・・・!?こいつが原因だったのか・・・!?」
「でも、一体何がどんな理由で!?」
再び姿を現したエリオネの姿に様々な声が飛び交っている中、地球の本棚を見ていたフィリップが「そういうことか」と、声を出す。
「奴はマイクロ波発電のマイクロ波が巣を直撃したことで再び変異した存在なんだ。そのおかげとも言うべきか、マイクロ波に過敏に反応するようになってしまった」
「マジかよ・・・!?」
「それだけじゃない。体内のプラズマエネルギーの大幅な増大による帯電体質化によって半径10㎞圏内の電子機器が使い物にならなくなってしまう」
「それで二度も墜落したのか・・・!!」
流星はフォーゼの墜落の原因に納得しているが、問題はそこでは無かった。
「マイクロ波に反応するってことは・・・・」
「ああ。目指しているのはマイクロ波発電の実験施設だな」
「マズいっすよ。あそこの超電動リングが破壊されたら首都圏が壊滅することに・・・!?
「問題はどうやってエリオネに対処するかということよね・・・」
「答えは一つしかないはずだ。今すぐうって出る!!」
「忘れたのか?奴の帯電体質の影響で殆どのライダーシステムは正常に作動しない可能性があるんだ。何の考えもなしに出ても意味がない」
「クッ・・・!!」
関たちの会話の後に流星は今すぐ戦いに行くべきだというが、ショウイチによって止められていた。
そんな中、光彦がぽつりと提案する。
「奴がマイクロ波に反応するのなら、それを利用したらどうですかね?」
「利用?」
「つまりマイクロ波で奴を安全に倒せる場所まで誘導するんですよ」
「誘導させるにしても下手したらライダーマシンすら動かない可能性だってあるぞ?」
「いや、科学局に保管されているビートチェイサー3000なら大丈夫のはずだ。あれにはコンピューターシステムは搭載されてないからな」
さらにこの後のやり取りで、囮役に決定した光彦が保志のいる地点まで誘導することが決まったが、そんな中で笹沼がぽつりと呟いていた。
「にしても綾子遅ぇな―――・・・」
「あぁー、もう!何で急に動かなくなったのよぉー!?」
空港に車で向かっていた綾子だったが、携帯していた通信機からの連絡で急きょ引き返していた。
が、急にその車が動かなくなってしまった。
車体の屋根を叩きながら文句を垂れていた綾子だったが、ふと何かの鳴き声が聞こえてきたのに気づく。
見ると、離れた場所から飛んできているエリオネが口からプラズマ弾をこちらに放とうとしているのに気づく。
慌てて車から離れ始めた綾子だったが、エリオネの放ったプラズマ弾は車体に命中すると大きな爆発を発生させる。
その爆発に吹っ飛ばされた綾子は気を失ってしまった―――。
『もうじきエリオネの影響下に入る。マイクロ波発信装置のスイッチを入れろ』
「了解」
ビートチェイサーに積まれたマイクロ波発信装置のスイッチを入れると、やがてそれに引き寄せられるかのようにエリオネがこちらに向かって飛んでくる。
そして作戦通りエリオネを誘導し始めていたが―――
「おい、マズイぞ・・・!?」
「どうした?」
「綾子が倒れてる・・・!!」
「何っ!?」
笹沼の持っていた双眼鏡で覗き込んだ関は倒れこんでいる綾子に気づく。
それはバイクに乗っていた光彦も気づいていたが、エリオネを誘導しているためどうすることもできないでいた。
しかしそのとき、周りに霧が立ち込め始めたかと思うと一台のバイクがエンジン音を鳴らしながら突如姿を現す。そしてビートチェイサーに並走し始めると、自分がその装置を積んで囮役になると伝えてくる。
そのバイクに発信装置を移し替えた後、バイクに乗っていた男は光彦にあることを告げていた。
「彼女を、綾子を早く!」
「君はまさか・・・」
男は光彦の言葉にこたえることなくバイクを発進させる。
そのすきに光彦は綾子に駆け寄ると、抱き起す。その際、気が付いた綾子はエリオネの放つプラズマ弾を巧みにかわしていくバイクを見ながらポツリと呟く。
「ダン・・・?ダンが来てるの・・・?」
「ああ、彼は来てくれたぞ・・・」
エリオネを誘導しながら走っているバイクとすれ違った保志は、ふと軽い違和感を感じたが、目の前にエリオネが迫ってき始めていたのに気づくと、それを頭の隅に追いやりクウガに変身すると、飛行しているエリオネめがけて飛び蹴りを放ち撃墜させる。
地面に撃墜したエリオネと組み合ってくるクウガに対し、エリオネは噛みつきやプラズマ弾を放つなどをして攻撃してくる。
体内のプラズマエネルギーが増大しているからだろうか、エリオネの戦闘能力は以前の個体よりもはるかに上昇しているためクウガは苦戦し始める。
クウガは自身に放たれたプラズマ弾を腕を使って弾くが、連射されたことによって防ぎきれなかったプラズマ弾の一部が次々とクウガの体へと命中し火花を上げて爆発する。
一旦プラズマ弾の発射を止めたエリオネは立ち込める白煙を眺めていたが、その白煙の中からタイタンフォームとなっていたクウガが無傷で姿を現す。
クウガはすぐさまガイアタイタンにチェンジすると、エリオネの腹部に強烈なストレートパンチを放って怯ませる。
さらに追撃としてクウガはエリオネのあごにスカイアッパーを放って後方へと吹っ飛ばす。
すぐさま起き上がったエリオネの放ったプラズマ弾をジャンプして回避したクウガに対し、エリオネは再びプラズマ弾を発射する。
そのプラズマ弾を受け止めると、クウガはそれを自身のエネルギー球へと変換しエリオネめがけてうち返す。
エリオネはその攻撃をジャンプして回避するが、地面に当たったエネルギー球はその場でバウンドするとエリオネに直撃すると、エリオネは爆散し消滅したのだった―――。
戦いの後、辺りが夕日に染まり始める中で再び周りを霧が立ち込め始めると、その霧の中から一台のバイクが姿を現す。
バイクに乗った男――ダンと綾子はようやく対面していた。
「ダン・・・・。会いたかった・・・・」
「俺もさ、綾子。でもごめん。俺はここにはいられないんだ」
「―――どうして・・・!?やっと会えたのに・・・・!?」
「・・・もう行かなきゃならないんだ―――」
「どこに!?待っていたのよ!?ダンのこと・・・ずっと待っていたんだから!?」
「愛してるよ、綾子」
「ダン・・・」
「これからもずっと・・・」
「いや・・・いや・・・!」
「君に会えて本当によかった―――」
綾子との会話の途中から足元から消え始めていたダンは最後にそう言い残すと、光となって姿を消した。
ダンの消えた場所に残されていたロケットを拾い上げた綾子に対し、光彦は静かに歩み寄る。
「光彦・・・」
「我慢は・・・体に良くないぞ・・・?」
その言葉によってたかが外れたかのように涙を流し始めた綾子は光彦の胸に飛び込む。
「どういう・・・こと・・・?」
「―――そうか、分かった。」
このやり取りを離れた位置で見ていた保志達の中で凛子がそうつぶやいた後、通信機でどこかとやり取りをしていた関が今伝わってきたことを伝える。
「ついさっき分かったことらしいが緒乃ダンはエリオネに破壊された820便に・・・確かに搭乗していたそうだ」
「じゃあ、ついさっきまであそこにいたのって・・・!?」
「―――人間の霊魂の正体はプラズマだって話を聞いたことがある。エリオネの強力なプラズマエネルギーにその緒乃ダンの魂が反応したのだったとしたら・・・」
「それだけじゃないと思う。何としてでも彼女の元に帰ろうっていう彼の強い意志が・・・もう一度この世に姿を現すためのきっかけになったんだと・・・俺はそう思いたい・・・」
「私も・・・そう信じたい・・・」
ユウスケとシンジの言葉の後、保志と真魚はそれぞれそうつぶやきながら夕日の中で寄り添う2人を見つめていた―――。
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