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仮面ライダークウガ 2078最終章


第30話 鎮魂歌‐レクイエム‐

リゾートエリアに謎の怪生物が出現。
その連絡を受けて出動した特殊任務班だったが、既にどこにもその姿はなかった。
この一件から任務班は付近の探索を開始していた―――。


「ここでも何も無し・・・か」
「あれ、志保じゃないか」

近くのリゾートホテルに聞き込みのために立ち寄った志保に1人の男性が声をかけて近寄って来る。

「もしかして・・・ツルギ・・?」
「久しぶりだな、中学以来か?」

中学以来の友人であるツルギと再会した志保はしばらく話をしていたが、ほどなくしてツルギが突然の発作らしきものに襲われ始める。
救急車を呼ぼうとした志保だったが、それをツルギが止める。

「呼ばなくていい・・・」
「えっ、でも・・・」
「部屋に薬がある。それで大丈夫だ」

頑として首を縦に振らないので志保は肩を貸しながらツルギを部屋まで連れていくと、その部屋の前に1人の女性――ツルギ同様中学以来の友人であるユヅキが立っていた。
すると、そのユヅキは発作を起こしているツルギ見ると慌てて駆け寄る。

「ツルギ、また(・・)なの!?」
「大丈夫だ・・・しばらくすれば治まる」

ツルギはそう言うと1人で部屋に籠ってしまった。
志保はユヅキに気になったことを聞いていた。

「さっき、またって言っていたけど―――」
「ここ最近体調が良くないみたいで、私もそれが心配で追ってきたのよ・・・・」


その日の夜、リゾートエリアの発電所の近くに再び怪生物が出現した。
怪生物に対し、弦太朗と流星はそれぞれフォーゼとメテオに変身して戦おうとしていたが、志保は怪生物に対しブラストシューターを使って何かを撃ち込む。
変身していつものセリフを言ったあと、フォーゼとメテオは同時にライダーキックを放ったが、命中する前に怪生物の姿が消えてしまったため2人の攻撃は空振りに終わってしまった。
攻撃が命中しなかったため悔しがっているフォーゼとメテオをよそに関は志保に1つ尋ねていた。

「科学局から持ってきた発信機、ちゃんと撃ち込めたか?」
「はい。消える前にちゃんと」


翌日、志保は撃ち込んだ発信機の反応を追って再びリゾートホテルに訪れていた。

「こんな人通りの多いところにあんな怪生物がいるのかなぁ・・・?」

通信機の画面に表示されている反応を頼りに進んでいると、志保は何かにぶつかる。

「イタッ!・・・あれ、ツルギ?」
「どうしたんだ、また?」

不思議そうに尋ねるツルギに「いや、ちょっと仕事で・・」と言って誤魔化す。
立ち去るツルギを見送った後に志保は通信機を見ると、発信機の反応も遠ざかっていた。

(まさか―――)



「身辺調査?」
『はい。ちょっと彼の行動が気になって・・・』

志保は保志にツルギの身辺調査を依頼していた。
保志は「分かった。少ししたらこっちから連絡するよ」と伝える。
その言葉通り、少ししてから保志は調査の結果を伝えてきた。

「彼の所属している研究機関ではコズミックエナジーを使って生物の能力を高めることを目的としていたんだけど、そこでコズミックエナジーの盗難事件があったらしいんだ」
『盗難事件・・・』
「一応能力を高めること自体には成功したらしいんだけど、そうなった生物には大きな副作用が発生するらしいんだ」
『でもそれが彼とどういう関係が・・・』
「そのツルギって人がその研究の担当者の1人だったんだ。しかも盗難が発覚したのは彼が休暇を取った直後だった」
『それじゃあ、彼は・・・!?』


同じ頃、海岸を歩いていたツルギとユヅキだったが、ツルギはまた突然の発作に襲われていた。
発作に苦しんでいるツルギの下へ駆けつけた志保は治療を受けるよう説得し始めたが、ツルギはあろうことかそれを拒否する。

「僕は・・・いつも一番でならなければならなかった・・・!!だからコズミックエナジーを・・・!!」
「もういい!!そんな無理しなくたっていいよツルギ!!

ツルギを掴みながらユヅキも説得を始める。
しかし、ツルギはユヅキを突き飛ばすと強まっていく発作の苦しみとともに全身からエネルギーを放出させながら2人から距離を取る。

「ダメだ・・・一番じゃない僕なんて・・誰も愛してくれない・・・。お前たちに・・・僕の気持ちがわかるかッ!?」
「分かるよ!!私たち・・友達でじょ!!」

だが、コズミックエナジーによって心の中の潜んでいた闇まで増幅されてしまっているのか、ツルギには友人の言葉も届かないでいた。

「分かるものか・・・幼いころからずっとずっと一番でなければならなかった・・・俺の気持ちが・・・分かってたまるかッ!!」

その言葉とともにツルギの体は志保が発信機を撃ち込んだ怪生物へと変貌を遂げてしまった。
怪生物へと変貌を遂げたツルギは、そのままリゾートエリアを抜けて市街地へと進行を始める。
ブラストシューターを向ける志保だったが、引き金を引くことができないでいた。
志保から連絡があったため、いち早く現場についていた保志はクウガに変身すると、ツルギ変身体の進行を食い止めようとする。

「保志さん、俺も協力するぜ!!」

到着した真魚たちに志保が事情を説明している中、弦太朗はフォーゼに変身するとマグネットステイツになるとともにランチャーとガトリングモジュールを展開すると志保の説明の途中でリミットブレイクの態勢に入る。

<リミットブレイク>
「行くぜッ!ライダー超電磁一斉掃射!!」

ツルギ変身体に攻撃が命中しようかとしたとき、ツルギ変身体の進行を阻止しようとしていたクウガは弾道上に飛び出すと代わりにその攻撃を受けてしまった。
思わず膝をついたクウガをツルギ変身体は横へ蹴り飛ばす。

「ええッ!?保志さん何でッ!?」
「分かってるんだ・・。彼が人間だということが・・・」

フォーゼは自身の攻撃を防ぎに入ったクウガに驚きの声を上げるが、対照的に志保はクウガが事情を知っていることを察知していた。

ツルギ変身体はクウガに対して体や両手から電撃を放っていくが、クウガはその攻撃を回避したり防いだりはするもののこちらから攻撃を仕掛けようとはしなかった。
クウガを助けようと、ユウスケはアークルを呼び出して変身しようとするがその行動をクウガ自身が辞めさせる。

「来るなッ!どれだけエネルギーを内蔵しているか分からない以上全員で相手どらない方がいい!!」
「保志さん・・・あんたまさか・・・!?」

クウガの目的に気付いた晴人は思わず声を漏らす。
そうこうしている間にツルギ変身体は両手の爪の間から触手をクウガに巻き付けると、その触手を使ってクウガに電気を流し始める。

「グッ・・・!?」

しばらくツルギ変身体が発する電気を浴びていたクウガはやがて耐え切れなくなってきたのか膝をついてしまう。
それを見ていられなくなったのか、フォーゼは攻撃しようとしていた。

「やっぱ見てられねェ!!俺があいつを倒すッ!!」
「ちょっと待って!様子が・・・」

フォーゼがライダー超電磁ボンバーを使おうとしたが、それを真魚が止める。
ツルギ変身体は巻き付けていた触手を引っ込めるともがき苦しみ始める。
そして、消えるように姿を消していった―――。



志保とユヅキは砂浜で人間の姿に戻って倒れているツルギを見つける。

「誰にでも・・・心に闇はある・・・。あなたはそんな闇を開いてしまったただの人間よ・・・。ゆっくり眠って・・・。もう、誰とも競争しなくていいんだから・・・・」

志保は涙を流しながら息を引き取っていたツルギの亡骸に語り掛ける。その後ろではユヅキも涙を流しながら立ち尽くしている。
そんな2人を真魚の肩を借りながら保志をはじめとする特殊戦略任務班や晴人たち見つめていた―――。
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