仮面ライダークウガ 2078最終章
第29話 落ちてきた友達
宇宙空間を飛行していた2つの青い球が地球に落ちてきた。
空中で2方向に分かれると、そのまま地表へと墜落する。
その青い球を追うかのように大気圏内に赤い球も侵入してくる。
地面に降り立った赤い球が消えると赤い制服のようなものを着た人間が姿を現す。
その人間が青い球の1つが墜落した場所まで歩いていくと、そこには小型のカプセルに入った青い色をした小さな動物が入っていた。
制服を着たその人間は右腰のホルスターから小型の銃を抜くと、カプセル目がけて躊躇うことなく引き金を引いていた―――。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日、1人の少女が海岸を歩いていると小型のカプセルに入った青い動物を見つける。
弱々しい鳴き声を上げているその動物を拾い上げると、遠くから少女の名前を呼ぶ声がしてそのカプセルを抱えて戻っていった。
「僕~の名前は、はやぶさくーん♪」
保護施設にいる子供たちの前で自身の持ちネタであるはやぶさくんの歌をユウキは歌っている。
ハミングしている子供たちがいる中で、1人だけ歌うことなく後ろで眺めているだけの少女がいることに気付いたユウキはその子に声をかける。が、その子はユウキの声に応えることなく建物の中へ走り去っていった。
「君も一緒に歌おうよぉー!!」
「・・・・」
「あっ、ちょっとッ!?」
「八武崎(やぶさき)マリちゃんって言うんですけどね、3年前に仮面ライダー部と名乗る連中が起こしたマンションの爆破事件で家族と友達をいっぺんに亡くしてしまってから、みんなと距離を取るようになってしまって・・・」
「だったら俺がダチになって心を開いてみせるぜッ!!」
「―――弦太朗が行ったら逆効果のような気もするんだけどな・・・・」
施設の園長の説明を聞いた弦太朗がマリを追って建物に入っていったのを見送りながら、保志がポツリと呟いていた―――。
「ねぇ、あなたは友達としてずっと一緒にいてくれるよね?」
1つの部屋に入ったマリは手に持っていたカプセルを机の上に置くと、そう語りかける。
そんなマリの言葉に対しカプセルに入っていた動物は小さく泣き声を上げる。
そんなマリの背後から赤い制服を着た男性が近寄っていきながら、ホルスターから銃を引き抜く。
少女の背後から銃が向けられたとき、廊下から弦太朗が走って部屋に入ってきた。
「なぁ、俺とダチに・・・・不審者イタァァァァーッ!?」
「!!」
その男性は弦太朗が入ってくると、反対側の窓から外へと飛び出していった。
弦太朗の大声に反応するかのようにその部屋に保志たちが集まってきていた。
「マリちゃん、それどうしたの?」
「・・・海岸で拾ったの・・・」
身長を合わせるためにしゃがみこみながら保志がマリに質問すると、おずおずと答える。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
事情を聞くために極東本部にカプセルを持ってマリは訪れていた。
そしてカプセルに入った動物の鳴き声をサウンドトランスレーターで翻訳したものが、コマンドルームで流されていた。
『私はザンギャ、私を助けて』
「・・・これが鳴き声を翻訳した結果か?」
「つまりあの青いザンギャってのは何かに追われているってことか・・・」
「きっとあの赤い服きた男だぜ!!こんな小さい動物をカプセルに閉じ込めた上に追っかけまわすなんて許せねェ!!」
弦太朗がそう言ったあと、志保が近くにいた美穂にマリの行方を聞いていた。
「それでそのマリっていう子供はどこに行ったの?」
「ザンギャのカプセルが置いてある部屋に行きましたよ」
「だったら俺も見に行くぜ!まだダチになってないしな!それからザンギャともダチになるぜ!!」
そう言うと、弦太朗はザンギャのカプセルが置いてある部屋へと向かっていった。
ザンギャのカプセルが置いてある部屋の自動ドアが突如開くと、赤い制服を着た男が入って来る。
そして、ホルスターから銃を抜くとカプセルに向けて構える。
引き金を引こうとしたとき、部屋にマリとともに弦太朗が入って来る。
マリの顔を見て、男の動きが突如として止まる。
そのすきにマリはザンギャの入ったカプセルを抱えて走り出す。弦太朗はそれを追いながらマグフォンで仮面ライダー部に連絡をつける。
男は2人を追って部屋を出るが、弦太朗の連絡を受けてやってきた流星をはじめとする仮面ライダー部の面々に遭遇する。
<メテオ、レディ?>
「弱い生き物を痛めつけようとするやつを許すわけにはいかないッ!!」
流星はそう言うと、メテオに変身して男に襲い掛かる。
メテオの攻撃を躱しながら男は「仕方がないか・・・」と呟くと、手帳のようなものを取り出す。
それを見て士は「あれはまさか・・・!?」と声を出す。
「エマージェンシー!デカファイヤー!」
男の掛け声とともに男の体を赤いスーツが覆って仮面ライダーとはまた違う姿へと変わる。
「姿が変わろうと無駄だ!!」
メテオは姿の変わった男にそう言い放ちながら攻撃を仕掛けに行く。が、男はその攻撃をよけながら倒れる勢いを利用してメテオを攻撃する。
そして左右のホルスターから銃を取り出すと、2丁の拳銃からエネルギー弾をメテオ目がけて連射する。
「馬鹿な・・・俺の星心大輪拳が通用しないだと・・!?
2丁の銃から放たれたエネルギー弾を受け続けたメテオはそう言うと、変身解除しながら倒れこんでしまった。
メテオを倒した男に対し保志たちはハンドガン形態のブラストシューターを向けるが、士が発した言葉に男の動きが止まる。
「特捜戦隊デカレンジャー」
「!」
「デカ・・・レンジャー・・・?」
「仮面ライダーが存在しない世界で代わりに世界を守っているスーパー戦隊と呼ばれる存在の1つだ。こいつはそのデカレンジャーによく似ている」
「あなたがいうそれは地球署のデカレンジャーだろう」
男はそう言うと変身を解除して自身の説明を始めた。
「私は宇宙警察ファイヤースクワッドに所属するシュンというものだ」
「何のために地球にやってきたんだ?」
「私は特キョウメンバーとともにレイン星で作られた凶悪な宇宙生物であるザンギャをブラックホールまで移送していたが、突如発生したワームホールを利用して逃走されてしまったためそれを追ってこの世界の地球までやってきた」
「Oops!あんな小さい動物が凶悪な宇宙生物ですって!?」
「そうだよ!あんなに可愛いのに!?」
「残念だが事実だ。すでに私の故郷の星では多くの犠牲者が出ている」
美羽とユウキがシュンの言葉に反論するが、その反論をバッサリ切り捨てる。
そのやり取りの最中、保志がポツリと呟く。
「彼女が危ない・・・!!」
「ここまで来れば大丈夫だぜ・・・!!」
ザンギャの入ったカプセルを抱えたマリを連れて外まで逃げた弦太朗は、廃工場に入り込むとそうマリに言う。
そして弦太朗がザンギャをカプセルから取り出していると、カプセルに発信機か何かがついていたのだろうか保志とともにシュンが廃工場に姿を現す。
「ここは俺に任せろ!君のダチは俺が守ってみせるぜッ!!」
「あ、待て弦太r」
「変身!!」
保志の説明を聞く前に弦太朗はマリを横にやると腰にフォーゼドライバーを巻いて変身する。
そしていつも通り「宇宙キターッ!!」と言おうとしていたとき、背後にいたザンギャに異変が起こる。
体が徐々に巨大化していくとともにおぞましい姿になっていく。顔もカプセルに入っていた時とは比べ物にならないほど凶悪な面構えになっていった。
そして決め台詞を言おうとしていたフォーゼを長く伸びた尻尾で廃工場の壁へと吹っ飛ばしていた。
「宇宙k・・・あべしーッ!?」
「!まずい・・!?」
本性を現したザンギャを見て何かを察知したシュンが動こうとしたが、それより早くザンギャはマリの方を向くと目から出した光線でマリを眼球の中に取り込んでしまう。
さらに2人目がけて放たれた光の針を回避しながら、保志は持っていた通信機で状況を説明していた。
「マズいことになった。マリちゃんが人質に取られた」
「奴らにとっては人質を取ることは常套手段だ。自身への攻撃を鈍らせるためにな」
『クッソ・・・それだと迂闊に攻撃できないぜ・・・!?』
『でも倒したらその子も開放されるんじゃ・・・?』
『そんな根拠も何も無い可能性で攻撃に入れるか!?』
通信機の向こうで笹沼の後にユウキが楽観的な可能性を述べるが、関にあっさり切り捨てられる。
そのまま町に向かおうとしているザンギャといち早く到着したアギトが交戦状態に入ったのを見て、シュンは自分が行くと言う。
「私が救出に向かおう。この星の重力状況では長距離の瞬間移動はできないが、奴の中に入り込める」
「シュンさん・・・」
「奴の足止めを頼む」
保志にそう言うとシュンは廃工場から出ていったため、保志はそのことを通信機で伝える。
ザンギャの近くまでやってきたシュンはそのままザンギャの眼球の中へとテレポートすると、マリを抱えて出てくる。
すると、ザンギャがマリを抱えたシュン目がけて光の針を発射し足に命中させる。
「ぐあッ・・・!?」
「おじさん!!」
倒れこんだシュンを庇うためにザンギャの前に立ちはだかる。
「やめて!乱暴する子は友達じゃない!!ずっと一緒にいてくれるって約束してくれたよね?」
しかしマリの言葉を否定するかのようにザンギャはマリ目がけて光の針を飛ばす。
その攻撃をシュンはマリを突き飛ばして回避させるが、代わりにシュンがその攻撃を浴びてしまう。
「大丈夫ですかッ!?しっかり!!」
アギトがザンギャを攻撃して気をそらさせている隙に気を失っているマリを抱えながらシュンに肩を貸して真魚たちの方へ運ぶ。
真魚たちの方へたどり着いた途端に倒れこんだシュンに保志はそう声をかける。
そんな保志に対し、シュンは懐からペンダントを取り出すとマリに渡すよう頼む。
「その子が目覚めたら、これを・・・渡して伝えてくれ・・・。強く、生きていけと・・・。この子はよく似ている・・・。死んだ、娘に・・・」
「しっかりしろッ!!おいッ!?」
保志にそう伝えてペンダントを渡し力尽きたシュンに保志は大声で反応を確かめたが、シュンは光となって消滅した。
保志は気を失っているマリにシュンのペンダントをかける。すると、ペンダントにはマリとそっくりな少女の顔が浮かんでいた。
保志はザンギャの方を向くと、拳を強く握りしめながら走り出す。
「グッ・・・!!」
保志が場を離れている間ザンギャを引き受けていたアギトだったが、ザンギャの想像以上の戦闘能力に苦しめられていた。
そして今、ザンギャの手によって首を絞められていたとき、保志がザンギャに向かって走りながらクウガに変身すると、飛び上がると同時にザンギャの横っ面を殴り飛ばす。
起き上がってクウガに吠えているザンギャに、再び拳を強く握りしめたクウガは向かっていく。
クウガのジャンプとともに放たれたチョップをザンギャはしゃがんで回避する。
しかしクウガはすぐさま起き上がるとザンギャと組みあったが、すぐさま弾かれてしまう。
クウガはザンギャに連続して使用したチョップを躱したすきにキックを打ち込む。
さらに回し蹴りを放つが、ザンギャは躱すと体当たりを浴びせて弾き飛ばす。
倒れこんだクウガに対し、ザンギャは攻撃を浴びせようとするがクウガは躱してザンギャの後ろに回り込み、首元を掴みこむとそのまま前方へ投げ飛ばす。
そして再びザンギャを掴むと今度は後方へと投げ飛ばす。
だが、ザンギャはいとも簡単に着地すると近寄ってきたクウガに対し尻尾を使って攻撃し始める。
その攻撃を躱したクウガに対し、ザンギャは今度は2つに分かれた尻尾の先端から電撃を放ち始める。
クウガは電撃を側転などで回避し続けると止まった瞬間を狙って、光の刃を放つ。が、その攻撃はザンギャが目から放った光線によって逆に吸収されてしまう。
ザンギャはクウガから吸収した光弾を吐き返してきたが、クウガは青く輝く円形状のバリアで防ぐ。
攻撃を防いだクウガにザンギャが尻尾で攻撃してきたのをかわしたが、クウガはザンギャに掴まれてしまった。
連続して攻撃してくるザンギャからクウガはいったん離れると、パンチを浴びせようとするがその腕をザンギャに掴みあげられてしまう。
そしてザンギャは空いていた腕でクウガを弾き飛ばすと、起き上がろうとしていたクウガの左腕に鋭い歯を立て始めた。
クウガの左腕から口を話したザンギャは今度は連続してキックを浴びせてクウガを地面に転がし始める。
そして仰向けになったクウガに馬乗りになるとクウガの首を怪力で締め始めた。
首を締め上げながらもタイタンフォームへとチェンジしたクウガはザンギャの顔面を殴りつけて後退させると、巴投げで投げ飛ばす。
そして起き上がると今度はガイアタイタンへとチェンジする。
起き上がったザンギャはクウガ目がけて尻尾を伸ばしてくるが、クウガはその攻撃を片腕を盾として使って受け止めると空いていた腕でスカイアッパーを放ちながら粉砕する。
尻尾が粉砕されたことに狼狽えているザンギャに対し、クウガは光球に集約したエネルギーをザンギャ目がけて放つ。
その攻撃を受けたザンギャは体から青白い炎を上げながら吠えていたが、消滅したのだった―――。
数日後、再び保護施設に訪れた保志たちに対しマリは自身の考えを述べていた。
「もう1人でも大丈夫。このままずーっと1人で生きていけば悲しい思いをしなくていいもん」
しかし、そんなマリに対ししゃがみこみながら保志は諭すように話す。
「それは逃げていることにすぎないよ。人間はね、1人じゃ生きていけないんだ。皆が助け合っているから生きていくことができるんだ」
保志は「ほら、みんなが呼んでるよ」と、保護施設の方を指さすと、マリは「うん!」と言いながら施設の方へと走っていった。
「これで・・・よかったのかな・・・」
「あの優しさを失わないでくれればいい。たとえ、その思いが何百回裏切られることになったとしても―――」
真魚の言葉の後に保志はそう呟く。
2人の視線の先にいるマリの胸にはシュンが渡したペンダントが日光を受けて輝いていた。
空中で2方向に分かれると、そのまま地表へと墜落する。
その青い球を追うかのように大気圏内に赤い球も侵入してくる。
地面に降り立った赤い球が消えると赤い制服のようなものを着た人間が姿を現す。
その人間が青い球の1つが墜落した場所まで歩いていくと、そこには小型のカプセルに入った青い色をした小さな動物が入っていた。
制服を着たその人間は右腰のホルスターから小型の銃を抜くと、カプセル目がけて躊躇うことなく引き金を引いていた―――。
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翌日、1人の少女が海岸を歩いていると小型のカプセルに入った青い動物を見つける。
弱々しい鳴き声を上げているその動物を拾い上げると、遠くから少女の名前を呼ぶ声がしてそのカプセルを抱えて戻っていった。
「僕~の名前は、はやぶさくーん♪」
保護施設にいる子供たちの前で自身の持ちネタであるはやぶさくんの歌をユウキは歌っている。
ハミングしている子供たちがいる中で、1人だけ歌うことなく後ろで眺めているだけの少女がいることに気付いたユウキはその子に声をかける。が、その子はユウキの声に応えることなく建物の中へ走り去っていった。
「君も一緒に歌おうよぉー!!」
「・・・・」
「あっ、ちょっとッ!?」
「八武崎(やぶさき)マリちゃんって言うんですけどね、3年前に仮面ライダー部と名乗る連中が起こしたマンションの爆破事件で家族と友達をいっぺんに亡くしてしまってから、みんなと距離を取るようになってしまって・・・」
「だったら俺がダチになって心を開いてみせるぜッ!!」
「―――弦太朗が行ったら逆効果のような気もするんだけどな・・・・」
施設の園長の説明を聞いた弦太朗がマリを追って建物に入っていったのを見送りながら、保志がポツリと呟いていた―――。
「ねぇ、あなたは友達としてずっと一緒にいてくれるよね?」
1つの部屋に入ったマリは手に持っていたカプセルを机の上に置くと、そう語りかける。
そんなマリの言葉に対しカプセルに入っていた動物は小さく泣き声を上げる。
そんなマリの背後から赤い制服を着た男性が近寄っていきながら、ホルスターから銃を引き抜く。
少女の背後から銃が向けられたとき、廊下から弦太朗が走って部屋に入ってきた。
「なぁ、俺とダチに・・・・不審者イタァァァァーッ!?」
「!!」
その男性は弦太朗が入ってくると、反対側の窓から外へと飛び出していった。
弦太朗の大声に反応するかのようにその部屋に保志たちが集まってきていた。
「マリちゃん、それどうしたの?」
「・・・海岸で拾ったの・・・」
身長を合わせるためにしゃがみこみながら保志がマリに質問すると、おずおずと答える。
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事情を聞くために極東本部にカプセルを持ってマリは訪れていた。
そしてカプセルに入った動物の鳴き声をサウンドトランスレーターで翻訳したものが、コマンドルームで流されていた。
『私はザンギャ、私を助けて』
「・・・これが鳴き声を翻訳した結果か?」
「つまりあの青いザンギャってのは何かに追われているってことか・・・」
「きっとあの赤い服きた男だぜ!!こんな小さい動物をカプセルに閉じ込めた上に追っかけまわすなんて許せねェ!!」
弦太朗がそう言ったあと、志保が近くにいた美穂にマリの行方を聞いていた。
「それでそのマリっていう子供はどこに行ったの?」
「ザンギャのカプセルが置いてある部屋に行きましたよ」
「だったら俺も見に行くぜ!まだダチになってないしな!それからザンギャともダチになるぜ!!」
そう言うと、弦太朗はザンギャのカプセルが置いてある部屋へと向かっていった。
ザンギャのカプセルが置いてある部屋の自動ドアが突如開くと、赤い制服を着た男が入って来る。
そして、ホルスターから銃を抜くとカプセルに向けて構える。
引き金を引こうとしたとき、部屋にマリとともに弦太朗が入って来る。
マリの顔を見て、男の動きが突如として止まる。
そのすきにマリはザンギャの入ったカプセルを抱えて走り出す。弦太朗はそれを追いながらマグフォンで仮面ライダー部に連絡をつける。
男は2人を追って部屋を出るが、弦太朗の連絡を受けてやってきた流星をはじめとする仮面ライダー部の面々に遭遇する。
<メテオ、レディ?>
「弱い生き物を痛めつけようとするやつを許すわけにはいかないッ!!」
流星はそう言うと、メテオに変身して男に襲い掛かる。
メテオの攻撃を躱しながら男は「仕方がないか・・・」と呟くと、手帳のようなものを取り出す。
それを見て士は「あれはまさか・・・!?」と声を出す。
「エマージェンシー!デカファイヤー!」
男の掛け声とともに男の体を赤いスーツが覆って仮面ライダーとはまた違う姿へと変わる。
「姿が変わろうと無駄だ!!」
メテオは姿の変わった男にそう言い放ちながら攻撃を仕掛けに行く。が、男はその攻撃をよけながら倒れる勢いを利用してメテオを攻撃する。
そして左右のホルスターから銃を取り出すと、2丁の拳銃からエネルギー弾をメテオ目がけて連射する。
「馬鹿な・・・俺の星心大輪拳が通用しないだと・・!?
2丁の銃から放たれたエネルギー弾を受け続けたメテオはそう言うと、変身解除しながら倒れこんでしまった。
メテオを倒した男に対し保志たちはハンドガン形態のブラストシューターを向けるが、士が発した言葉に男の動きが止まる。
「特捜戦隊デカレンジャー」
「!」
「デカ・・・レンジャー・・・?」
「仮面ライダーが存在しない世界で代わりに世界を守っているスーパー戦隊と呼ばれる存在の1つだ。こいつはそのデカレンジャーによく似ている」
「あなたがいうそれは地球署のデカレンジャーだろう」
男はそう言うと変身を解除して自身の説明を始めた。
「私は宇宙警察ファイヤースクワッドに所属するシュンというものだ」
「何のために地球にやってきたんだ?」
「私は特キョウメンバーとともにレイン星で作られた凶悪な宇宙生物であるザンギャをブラックホールまで移送していたが、突如発生したワームホールを利用して逃走されてしまったためそれを追ってこの世界の地球までやってきた」
「Oops!あんな小さい動物が凶悪な宇宙生物ですって!?」
「そうだよ!あんなに可愛いのに!?」
「残念だが事実だ。すでに私の故郷の星では多くの犠牲者が出ている」
美羽とユウキがシュンの言葉に反論するが、その反論をバッサリ切り捨てる。
そのやり取りの最中、保志がポツリと呟く。
「彼女が危ない・・・!!」
「ここまで来れば大丈夫だぜ・・・!!」
ザンギャの入ったカプセルを抱えたマリを連れて外まで逃げた弦太朗は、廃工場に入り込むとそうマリに言う。
そして弦太朗がザンギャをカプセルから取り出していると、カプセルに発信機か何かがついていたのだろうか保志とともにシュンが廃工場に姿を現す。
「ここは俺に任せろ!君のダチは俺が守ってみせるぜッ!!」
「あ、待て弦太r」
「変身!!」
保志の説明を聞く前に弦太朗はマリを横にやると腰にフォーゼドライバーを巻いて変身する。
そしていつも通り「宇宙キターッ!!」と言おうとしていたとき、背後にいたザンギャに異変が起こる。
体が徐々に巨大化していくとともにおぞましい姿になっていく。顔もカプセルに入っていた時とは比べ物にならないほど凶悪な面構えになっていった。
そして決め台詞を言おうとしていたフォーゼを長く伸びた尻尾で廃工場の壁へと吹っ飛ばしていた。
「宇宙k・・・あべしーッ!?」
「!まずい・・!?」
本性を現したザンギャを見て何かを察知したシュンが動こうとしたが、それより早くザンギャはマリの方を向くと目から出した光線でマリを眼球の中に取り込んでしまう。
さらに2人目がけて放たれた光の針を回避しながら、保志は持っていた通信機で状況を説明していた。
「マズいことになった。マリちゃんが人質に取られた」
「奴らにとっては人質を取ることは常套手段だ。自身への攻撃を鈍らせるためにな」
『クッソ・・・それだと迂闊に攻撃できないぜ・・・!?』
『でも倒したらその子も開放されるんじゃ・・・?』
『そんな根拠も何も無い可能性で攻撃に入れるか!?』
通信機の向こうで笹沼の後にユウキが楽観的な可能性を述べるが、関にあっさり切り捨てられる。
そのまま町に向かおうとしているザンギャといち早く到着したアギトが交戦状態に入ったのを見て、シュンは自分が行くと言う。
「私が救出に向かおう。この星の重力状況では長距離の瞬間移動はできないが、奴の中に入り込める」
「シュンさん・・・」
「奴の足止めを頼む」
保志にそう言うとシュンは廃工場から出ていったため、保志はそのことを通信機で伝える。
ザンギャの近くまでやってきたシュンはそのままザンギャの眼球の中へとテレポートすると、マリを抱えて出てくる。
すると、ザンギャがマリを抱えたシュン目がけて光の針を発射し足に命中させる。
「ぐあッ・・・!?」
「おじさん!!」
倒れこんだシュンを庇うためにザンギャの前に立ちはだかる。
「やめて!乱暴する子は友達じゃない!!ずっと一緒にいてくれるって約束してくれたよね?」
しかしマリの言葉を否定するかのようにザンギャはマリ目がけて光の針を飛ばす。
その攻撃をシュンはマリを突き飛ばして回避させるが、代わりにシュンがその攻撃を浴びてしまう。
「大丈夫ですかッ!?しっかり!!」
アギトがザンギャを攻撃して気をそらさせている隙に気を失っているマリを抱えながらシュンに肩を貸して真魚たちの方へ運ぶ。
真魚たちの方へたどり着いた途端に倒れこんだシュンに保志はそう声をかける。
そんな保志に対し、シュンは懐からペンダントを取り出すとマリに渡すよう頼む。
「その子が目覚めたら、これを・・・渡して伝えてくれ・・・。強く、生きていけと・・・。この子はよく似ている・・・。死んだ、娘に・・・」
「しっかりしろッ!!おいッ!?」
保志にそう伝えてペンダントを渡し力尽きたシュンに保志は大声で反応を確かめたが、シュンは光となって消滅した。
保志は気を失っているマリにシュンのペンダントをかける。すると、ペンダントにはマリとそっくりな少女の顔が浮かんでいた。
保志はザンギャの方を向くと、拳を強く握りしめながら走り出す。
「グッ・・・!!」
保志が場を離れている間ザンギャを引き受けていたアギトだったが、ザンギャの想像以上の戦闘能力に苦しめられていた。
そして今、ザンギャの手によって首を絞められていたとき、保志がザンギャに向かって走りながらクウガに変身すると、飛び上がると同時にザンギャの横っ面を殴り飛ばす。
起き上がってクウガに吠えているザンギャに、再び拳を強く握りしめたクウガは向かっていく。
クウガのジャンプとともに放たれたチョップをザンギャはしゃがんで回避する。
しかしクウガはすぐさま起き上がるとザンギャと組みあったが、すぐさま弾かれてしまう。
クウガはザンギャに連続して使用したチョップを躱したすきにキックを打ち込む。
さらに回し蹴りを放つが、ザンギャは躱すと体当たりを浴びせて弾き飛ばす。
倒れこんだクウガに対し、ザンギャは攻撃を浴びせようとするがクウガは躱してザンギャの後ろに回り込み、首元を掴みこむとそのまま前方へ投げ飛ばす。
そして再びザンギャを掴むと今度は後方へと投げ飛ばす。
だが、ザンギャはいとも簡単に着地すると近寄ってきたクウガに対し尻尾を使って攻撃し始める。
その攻撃を躱したクウガに対し、ザンギャは今度は2つに分かれた尻尾の先端から電撃を放ち始める。
クウガは電撃を側転などで回避し続けると止まった瞬間を狙って、光の刃を放つ。が、その攻撃はザンギャが目から放った光線によって逆に吸収されてしまう。
ザンギャはクウガから吸収した光弾を吐き返してきたが、クウガは青く輝く円形状のバリアで防ぐ。
攻撃を防いだクウガにザンギャが尻尾で攻撃してきたのをかわしたが、クウガはザンギャに掴まれてしまった。
連続して攻撃してくるザンギャからクウガはいったん離れると、パンチを浴びせようとするがその腕をザンギャに掴みあげられてしまう。
そしてザンギャは空いていた腕でクウガを弾き飛ばすと、起き上がろうとしていたクウガの左腕に鋭い歯を立て始めた。
クウガの左腕から口を話したザンギャは今度は連続してキックを浴びせてクウガを地面に転がし始める。
そして仰向けになったクウガに馬乗りになるとクウガの首を怪力で締め始めた。
首を締め上げながらもタイタンフォームへとチェンジしたクウガはザンギャの顔面を殴りつけて後退させると、巴投げで投げ飛ばす。
そして起き上がると今度はガイアタイタンへとチェンジする。
起き上がったザンギャはクウガ目がけて尻尾を伸ばしてくるが、クウガはその攻撃を片腕を盾として使って受け止めると空いていた腕でスカイアッパーを放ちながら粉砕する。
尻尾が粉砕されたことに狼狽えているザンギャに対し、クウガは光球に集約したエネルギーをザンギャ目がけて放つ。
その攻撃を受けたザンギャは体から青白い炎を上げながら吠えていたが、消滅したのだった―――。
数日後、再び保護施設に訪れた保志たちに対しマリは自身の考えを述べていた。
「もう1人でも大丈夫。このままずーっと1人で生きていけば悲しい思いをしなくていいもん」
しかし、そんなマリに対ししゃがみこみながら保志は諭すように話す。
「それは逃げていることにすぎないよ。人間はね、1人じゃ生きていけないんだ。皆が助け合っているから生きていくことができるんだ」
保志は「ほら、みんなが呼んでるよ」と、保護施設の方を指さすと、マリは「うん!」と言いながら施設の方へと走っていった。
「これで・・・よかったのかな・・・」
「あの優しさを失わないでくれればいい。たとえ、その思いが何百回裏切られることになったとしても―――」
真魚の言葉の後に保志はそう呟く。
2人の視線の先にいるマリの胸にはシュンが渡したペンダントが日光を受けて輝いていた。
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