第68回『ナイトライダーズ』(1981年)

爆走!オートバイ騎士団が行く!!

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『ナイトライダーズ』
(Knightriders)
1981年:アメリカ
監督:ジョージ・A・ロメロ


 本作『ナイトライダーズ』は、モダン・ゾンビの大家ジョージ・A・ロメロ監督による青春バイカー・グラフィティー。といっても、ヘルズ・エンジェルズよろしくな暴走族ものでも、はたまた『イージー・ライダー』(1969年)みたいなドラッギンなヒッピーものでもない。

 テーマはなんと「騎士道精神の継承」。

 エド・ハリス演じるビリーを「王」とする騎士団がこの物語の主役なのだが、騎士団といっても時代設定はもろに現代。鎧兜を身にまとい、槍や剣で戦う彼らがまたがるのは、馬ではなくオートバイ。騎士道精神に則ったバイクでの一騎打ちを、観衆の前で披露する旅回りの一座なのである。

 ざっくり言ってしまえば物珍しい「スタント・ショー」なわけだが(客たちも完全にそう思って観戦している)、しかしリーダーであるビリーは、自分たちの一騎打ちが「見世物」扱いされることをひどく嫌っている。彼にとってはオートバイでの一騎打ちは「ショー」ではなく、あくまで崇高なる騎士道精神を現代に継承するための「儀式」なのだ。

 ビリーの勇姿に憧れた少年が、バイク雑誌片手にビリーにサインをねだると、ビリーは「すまんが、これは遊びではないのだ」とサインを断ってしまう。

 しかし現実はやはり厳しい。ドサ回りの「スタント・ショー」で得られる収入なんて微々たるものだし、メンバーたちの生活費はもちろんのこと、バイクの整備費用もばかにならず、その他諸々の経費もかさむ一方だ。大所帯の一座を運営してゆくには、それなりのカネになるような仕事もこなしていかなければならないわけだが、しかし我らがビリー王は、「俺はカネのためにやってるんじゃないんだ!!」と、自分たちがショービズ化されることを頑なに拒み続ける。

 ビリーのこの石頭ぶりに対しては、彼を慕ってきたメンバーたちの中にも愛想を尽かす者が出始め、さらには彼らバイカー騎士団を立派な「商売」にしようと画策するプロモーターが現れたことで、一座の中に大きな亀裂が生じてしまう。果たしてビリーの信ずる崇高な騎士道精神は、現代における実利的な現実を前に、脆くも崩れ去ってしまうのか……。

 自身の信条を頑なに貫いたばかりに、家族に等しい仲間たちがどんどん彼の元を去って行ってしまう時のビリーの姿は何とも痛々しいが、しかしそれでも現代に生きる騎士としての信条を貫き続ける彼の姿が、だんだんと神々しく見えてくるから素晴らしい。一般的に見れば「変わり者」でしかない男の求道心を、カメラを通して神々しい領域にまで昇華する。これぞ映画のマジックだ。

 傍から見れば実にどうでもよい「男の意地」を、(客観的な立場も踏まえた)絶妙な距離感を保ちながら、美しく美しく撮り上げた珠玉の一本。

 意外なところでは、ビリーのライバル的な役どころを演じたトム・サヴィーニが、想像をはるかに上回るイイ仕事をしている(味のある役者として十二分にスクリーン映えする好演ぶりだ)。他にも、ケン・フォリーやスコット・H・ライニガー(『ゾンビ』のSWATコンビ)をはじめ、ロメロのゾンビ映画で見たことのある人が本作でも幾人か見られるので、『ゾンビ』ファンとしてもグッとくること必至。ロメロ御大と仲が良いというスティーブン・キングも、タビサ夫人と一緒に出演している(キングはこれが映画初出演だそうだ)。

 古いものにばかり固執するのは良くないことかもしれないが、しかし流行りものばかりがもてはやされるという状況はどうしたって好きになれない。たとえそれが今の時代にそぐわぬ反時代的なものであったとしても、自分が心から信じているものを自分なりのやり方で後世に継承していこうとするビリーの姿には、やはり胸を熱くするものがある。

 

(2013年3月6日)

プロフィール

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ニックネーム
わがままコブラ
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生年月日
1984年5月2日
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