第21回『ダイナマイトどんどん』

仁義なきデーゲーム

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『ダイナマイトどんどん』
1978年:日本
監督:岡本喜八


 時は昭和25年。戦後間もない北九州ではヤクザの抗争が激化し、市民生活は脅かされるばかりであった。これに頭を痛めた警察は、アメリカはんに頂いた民主主義の精神でこれを解決しようと画策。で、アメリカはんといったらベースボールで決まり!! という実に安直な発想から、北九州を代表するヤクザの組を集めたトーナメント形式の野球大会を開催することに。

 ヤクザの上層部たちもこれが一般市民に対する自分たちのイメージアップにつながると踏み、「野球にはルールってもんがある。仁義と同じや!!」と若い衆に檄を飛ばすが、しかし血の気の多いヤー公どもがスポーツマンシップにのっとるなんてこと自体にそもそも無理があった。

 試合開始直後は真面目にプレイしてはいても、そこはやはり血で血を洗って来た男たちである。試合(死合?)が熱くなれば男たちの血の気が沸点に達するのは避けようがない。

 当然、真夏のグランドは無法地帯と化す。

 バッターの頭蓋へ一直線の危険球が乱れ飛び、グーパンや前蹴りを駆使した走塁妨害に守備妨害とやりたい放題。スタンドの応援団たち(ストリッパーのチアガールなど)は「殺せ! 殺せ!」の大合唱。あげくは打者がバットでキャッチャーの頭をかち割って、「打撃妨害じゃコラァ!!」とアンパイアに詰め寄る始末……。

 案の定と言えば案の定の展開なのだが、これが分かっていてもメチャクチャ面白い。

 文太が所狭しと暴れまわり、金子信夫が狡賢く立ちまわり、北大路が武骨な鉄砲玉として突っ走り、ピンクのスーツに身を固めた岸田森が経済ヤクザの狡猾さで世を渡る。ヒロインの宮下順子は「ヤクザな男に泣かされる純な女」という日活ロマンポルノで鍛え上げた鉄板の演技を披露し、赤い日傘を差して歩くその姿が古き良き熊代作品を偲ばせる。

 東映ヤクザ映画のお決まりのパターンをパロディックに踏襲しつつ、破天荒なスポ根コメディーとして再構築してみせた岡本喜八の腕前はさすがだ。ジョージ・ロイ・ヒル監督、ポール・ニューマン主演のバイオレンス・アイスホッケー映画『スラップ・ショット』(1977年)を思わせる

 

(2011年7月17日)

プロフィール

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わがままコブラ
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生年月日
1984年5月2日
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