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壁の先の恋


第46話

中央政府




彼らはキルヒアイス少佐という空軍パイロットに出会った。
既に7年以上も連邦軍として勤務していて、首都防空任務部隊の中心人物だそうだ。
彼は首都のことも詳しく、買い物を手伝ってくれた。
キルヒアイスの言葉の中には、中央政府の内情についても語られていた。
それは彼らに政府には気をつけろ、と警告を出していた。彼らもその言葉について
考え、薄々気付き始めていた。


中央政府。
エルムート連邦共和国の心臓部。
彼らが連邦そのものを動かしているといっても過言ではない。
対策、協議、すべて彼らが集まって行われる。
そして、今日も中央政府内の円卓で会議が行われている。

初めて見た人には、その円卓が殺伐とした空気であると誰もが感じるであろう。


「あれだけの部隊を以ってしても、我々は敵の侵攻を食い止めることが出来なかったのだ。
この先もこの態勢が動くとは思えん」

「だからといって防衛を諦める訳にはいかん!敵に交渉などという温い考えはない。
捕虜か死か。どちらかしかありえん!」

「捕虜は困りますな。今後の連邦政権運営が難しくなる」

「今の我々に勝てる手段を見つけなければ、首都も陥落するだろう」


十数名ほどの政治要職が円卓の中で会議を行っている。
20時に来る定時連絡の後、彼らは緊急に招集された。今回はいつもの会議とは
違った。既に帝国軍は目と鼻の先まで迫っているということ。
徹底抗戦という意見をどうするか、という内容の者であった。
ただ一人といっても良い、冷静でかつ冷酷な表情を持つ国防総省、国防大臣の
ロボス大将が立ち上がって話し始めた。

「徹底抗戦について異論があろうとなかろうと、現状今我々が不利であることに
変わりは無い。しかし、いまだ戦える兵士は数多く、皆が首都に集結して準備を整えている。
この状況を捨て戦争放棄をするなら、後世エルムートの復活はありえないだろう。
形として我々は政府を残し続けなければならない。そのためには、軍を最大限に利用する。
それが、総司令官としての、私の考えだ」


独裁的な考えにも似た、力こそ正義で何事も屈服された側の責任という考えは、
一種のカリスマ性を表現していたのかもしれない。
何事にも冷酷で表情一つ変えず言い放つその姿に、円卓が沈黙を生み出す。
しかし、その時もう一人の発言者が現れた。

「徹底抗戦をするのは良いとして、もし我らが帝国軍の攻勢を食い止められなかったら、
どうする気なのだ」

立ち上がって堂々と話すその姿を、ロボス大将は視線を変えてその人の方を見た。
既に50歳はいっているだろうか、という年齢の男性だった。彼も軍人で、今のロボス大将と
対立しているような関係にある。ロボス大将は軍の総司令官を務めていて、
もう一人の彼は空軍の全権を預かっている。

彼を「ブライト」という。

「その場合は首都から退いて、また次の侵攻を食い止めるだけのことだ」
「結局のところ、我々はその繰り返しなのだなロボス大将。いつまでもこの態勢を維持した
ところで何も変わらないのは、自信でお気づきだろう。連邦は我ら十数人の国ではない。
国民国家なのだ」

「首都無くして連邦共和国の存続などありえん。絶対防衛線となった今、ここを守らずして
どこを守る」

「貴官は絶対防衛線と言うが、それならば当の昔にバーサス中央基地がその任に
あたっていたはずだ。それを貴官は陸軍の傷を増やさないために、敵軍に無血開城する
ことを命令した。空軍はいつでも取り残され、大勢殺されている。この状況が事実であっても
まだ、首都に固執するか」

ブライト大将の言うところは理にかなっていた。
連邦政府の存続は首都の存在。だからこそロボス大将は首都防衛に固執していた。
キルヒアイスがいっていた内情の一つに、ロボス大将とブライト大将の対立があった。
深刻な問題となっているのが、二人の対立が軍事に関わることになっているからであった。
キルヒアイスが気にしていたのが、どちらかが喧嘩状態になって更に戦争を拡大
させてしまうこと。内紛が発生すること。

それだけは何としてでも避けなくてはならない。
だから、カリスマ性で劣るブライトの権限は弱く、台頭してきたロボス陣営の動きを
押し留めることが出来ないのだ。
会議は終了し、各々部署に戻っていく。
ブライト大将は空軍作戦本部まで戻ろうと、外へ出た。

「お待ちしておりました」
「うむ、いつもすまんな待たせてしまって」

そこに待っていたのが、キルヒアイスだった。


・・・。


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Alliance of Valiant Arms

プロフィール

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ニックネーム
wizard<ウィザード>と言います(・∀・)
 意味:魔術師
性別
男
血液型
非公開
生年月日
西暦1994   (平成6)年
8月15日生まれ。
現住所
北海道札幌市のどこか!
職業
高校三年生。
好きな映画
トータル・フィアーズ
INDEPENDENCE DAY
逃亡者
ルパン三世カリオストロの城
DIE・HARD:2 and 4
劇場版ポケットモンスター「ミュウツーの逆襲」「ルギア爆誕」
etc...
紹介
始めまして。
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いつもご利用いただき誠にありがとうございます。
今度とも時間を作り、小説や日常的出来事などを更新して
いきたいと思いますので、宜しくお願いします。

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