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壁の先の恋


第15話

親と理事長




カリウスの腕前は基地司令官にも評価され、グリード隊参加への検討も
されることとなった。しかし、それには一つ問題があった。
この士官学校の理事長であるカーティス、カリウスの父にこの話をして承諾して
もらう必要があった。

表向きには、在学中の生徒を部隊に入隊させても良いか。
裏向きには・・・。


「何か用か?」
カーティス、理事長執務室の中にルーウェン大佐とルーカス少佐が入る。
基地の中でも高階級をつけるこの二人が並ぶと、さすがに威圧感も現れる。
彼は椅子に座ったまま、デスクの上の書類を一つひとつ確認し、印をしている。

「頼みがあってここに来ました。士官学校に在学中のカリウス演習生を、実戦投入したいのです」

ルーカスの放ったその言葉は簡潔であったが、深い意味が込められていた。
特にカーティスにとっては、瞬時に判断できるような話ではない。
無論、理事長の立場として。
しかし、意外にも彼は十数秒考え込んだ後、口を開けて結論を述べた。

「許可しよう。全校集会が明日開かれる。その際この件について説明する」
「お願いします」
「それから、カーティス理事長」
そう、ルーウェンが無表情で渋く声を出した。

「自分のお子さんですが・・・よろしいですか?」

親の立場をとるなら、もしかしたらカーティスは思いとどまったかもしれない。
しかしそんな姿を見ることもなく、彼はすぐに返答した。

「ルーウェン大佐。それは軍人が一般人に言うことではない」


スクランブル発進のあった日の夜。
カリウスは宿舎の自室で本を読んでいたところを電話で呼び出され、基地司令室まで
いく。そこにはルーウェンの姿があった。
ルーウェンと話す機会は今まであまりなかっただけに、呼ばれた時は少し緊張した。

「・・・カリウス君。空は好きかね?」
「え・・・?」

まさかこれを聞かれるためにここに呼ばれた訳ではないだろう。
内心そう思いつつも、その質問に真面目に答える。

「眺めているのは、好きです」
「そうか・・・」
どこか遠い空、あるいはその先に広がる無数の光を見つめるように、目線の遠い
司令官が呟くようにそう言った。
彼は窓から彼の方向へ振り返る。そして1枚の封筒を彼に手渡した。

「・・・実戦配備対象・・・」
「上層部は君を高く評価した。我々からも出来る限り努力はしよう。国のために・・・
その腕前、敵に見せつけてほしい」

彼は断ることが出来なかった。
自分が戦争に関与することに躊躇いが無かったとは言えない。しかし、ここで断れば
なぜ自分はこの学校に入ったことになるのか。疑われることは間違いないので、
逆に引き下がれない状況を作られたと言っても良い。
これも、上層部の狙いなのだろうか。

「この件は・・・君のお父さんも了承された」
「そうですか」

それを聞いて特に何も思うこともなく、カリウスはやり過ごした。
自分自身で気付かぬ振りをする微妙な感情に惑わされることなく、その場で話を済ませ
部屋を出た。

・・・明日からは、スクランブル発進に本格的な準備を進めていかなくては。


一方。
連邦中央政府は本日夕方、フレスベルド帝国空軍侵攻の動きを見て、
大規模な陸戦部隊を最前線に投入し、占領を阻止する意向を示した。


これは、開戦から4年後、9月に入ってからの出来事である。


・・・。

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Alliance of Valiant Arms

プロフィール

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ニックネーム
wizard<ウィザード>と言います(・∀・)
 意味:魔術師
性別
男
血液型
非公開
生年月日
西暦1994   (平成6)年
8月15日生まれ。
現住所
北海道札幌市のどこか!
職業
高校三年生。
好きな映画
トータル・フィアーズ
INDEPENDENCE DAY
逃亡者
ルパン三世カリオストロの城
DIE・HARD:2 and 4
劇場版ポケットモンスター「ミュウツーの逆襲」「ルギア爆誕」
etc...
紹介
始めまして。
このホームページの管理者のwizardです。
いつもご利用いただき誠にありがとうございます。
今度とも時間を作り、小説や日常的出来事などを更新して
いきたいと思いますので、宜しくお願いします。

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